ソフトバンク・中田賢一投手(34)が2日、古巣の中日戦(ヤフオクドーム)に先発し、6回2安打2失点で今季初勝利を挙げた。

 初回と4回にソロ本塁打を被弾。しかし、許したヒットはその2本だけで、試合後は「直球自体はブルペンから走っていた。多少、バラついても真っすぐの勢いで押せた」と2年連続の古巣への恩返し星を振り返った。工藤公康監督(53)も「リズムがよかった。本人が一番ホッとしているだろう。今日のような投球をしてくれれば、僕らとしてもこのまま投げてもらいたいなと思う」と評価した。

 そんな中田には母校の福岡県立八幡高校から、意外な期待もかかっている。同校の卒業生には、中田のほかに、今、話題となっている東京都の舛添要一知事(67)がいる。政治資金にまつわる疑惑を発端に次から次へと新たな疑惑が噴出し、ケチすぎる一面も露呈。会見を開くたびに大荒れで、都議会での所信表明ではヤジと怒号が飛び交った。同校関係者によると、舛添氏に関して学校に問い合わせが寄せられるなど、余波は同校にまで及んでいるというのだ。

「こんな形で名前が出るとは思わなかった…」と同校OBの一人は声を落とす。そこで期待されるのが中田の活躍によるマイナスイメージの払拭だ。「地元の球団だし、中田さんの活躍で八幡高校の名前がポジティブな印象になれば。きっと、頑張ってほしいという気持ちは、みんな一緒だと思います」と右腕の奮闘を願っていた。

 ちなみに中田は後輩と食事に行く際には、しっかりとおごる。思わぬところからかけられた思わぬ期待に右腕は応えられるか。