巨人が夏場を前に早くもバテバテだ。25日の広島戦(マツダ)も3―9の大敗を喫し、3カード連続の負け越しが決定。今季ワーストの4連敗となった。11安打で3点しか奪えない打線も問題だが、失速の最大要因は、投手陣の駒不足。“13人目”の助っ人補強か、綱渡りのやりくりで乗り切るのか。球団は難しい決断を迫られている。

ギリギリで踏ん張っていた投手陣が、音を立てて崩れ始めている。苦しい先発陣をエースの菅野と共に支えてきた田口だったが、この日は初回から3安打2四死球で2失点と、暗雲垂れ込める立ち上がりだった。

 左腕は2回以降、2度の満塁機をしのいで立ち直ったかに見えたが、球数は5回で100球。6回一死一、三塁と危機を広げたところで、由伸監督は交代を決断した。

 この時点でスコアはまだ1―2。しかし、勝機ありとみて投入した山口が誤算だった。左打者の田中に、直球を逆方向のスタンドまで運ばれ、ビハインドは一気に4点。なおも二死二塁の場面で3番手・田原誠にスイッチしたが、今季24試合目の右腕は、カープ打線の勢いを止められない。新井の適時打で6点目を献上すると、二死一、二塁で鈴木に3ランを被弾。最悪の1イニング7失点で勝負は完全に決した。

 今季ワーストの4連敗に、高橋由伸監督(41)の顔も険しい。背信のリリーフ陣について「そのへんは使っているこっちにも責任がありますけれど、あそこ(グラウンド)へ行ったら、投手も打者も、マウンドと打席でそれぞれ(結果を)残さなくちゃいけないというのは、私がずっと言っていること」と突き放した。

 ただ、そもそもの転落のきっかけは先発陣の崩壊だ。連日短いイニングでの降板が相次いだ結果、しわ寄せがリリーフ陣まで及び始めたといえる。先発ローテの駒は絶対的に不足しており、今回の広島戦も本調子から程遠い内海を初戦に投入した時点で、厳しい結果はある程度予想されていた。

 現在、4週連続の6連戦が続いている。3位以下も背後に迫っており、勝ち星が計算できる投手がエースの菅野しかいない状態では、Bクラス転落も時間の問題だ。頼みのマイコラスは、まだ二軍の実戦にも登板していない。先発と中継ぎ間で配置転換をしようにも、どちらも手薄な状況だけに、動こうにも動けない。

 そうなると、打つ手は補強しかなくなる。球団は23日にホセ・ガルシア外野手の入団会見を開いたばかりだが、先発候補を軸に“13人目の外国人”獲得も現実的に検討されている。ただ今季に関しては、常勝を宿命付けられた巨人では珍しく、親会社の読売幹部には「将来を見据えたシーズンで良いのでは」との意見もあるという。

 しかし補強を見送れば、今後の展開は目に見えている。目の前の勝負に厳しいG党が、果たして納得するのかどうか…。苦しいやりくりに追われる現場同様、フロントも難しいかじ取りに直面している。