勝てない162キロ右腕、日本ハム・大谷翔平投手(21)に元高校野球界の名伯楽が「走り込み」のススメだ。

 規定打席未満ながら打率3割4分8厘、8本塁打、18打点と好調な「打者」に対し「投手」としての大谷は8試合登板でいまだ1勝4敗、防御率3・34と迷走を続けている。

 そんな大谷について、元横浜高校野球部部長の小倉清一郎氏(71)は「大谷君は確かに球は速いけど、あのスピードでもコントロールが甘けりゃ打たれますよ。ピッチャーは速いだけじゃダメ。一番はやっぱりコントロール」と断言し、問題点をこう指摘した。

「時々出てくる着地した左足のブレや下半身の粘りのなさを見る限り、大きくした上体に下半身が追いついていない。二刀流の弊害なのかもしれないけど、ピッチャーとしてのランニング不足ですよ。ワク(教え子のロッテ・涌井)は黙ってても高校時代からよく走った。ピンチで強いのは制球に絶対の自信があるから。制球を安定させるのは土台となる下半身でしょ。下が安定してくれば必ず制球は良くなってくるんですよ」

 そして名伯楽はこう提言した。

「確かに今は打撃が好調だけど、投手を立て直すならいったん打者を休んでミニキャンプを張って走り込みをさせた方がいいよ。打者で打つったってせいぜい20本でしょう? 投手での15勝にはかなわない。見ていてマウンドで全然自信がないもんね。そりゃあ、勝てなきゃ自信も出てこないですよ」

 スポーツ科学がいくら進化しても投手は走らなきゃダメ…ということか。