巨人にまた悩ましい問題が発生だ。18日のDeNA戦(福島)は打線が振るわず、0―1で最下位相手にまさかの連敗。ただ、それより痛いのはマイルズ・マイコラス投手(27)に続いて、今度はアーロン・ポレダ投手(29)が左上腕の張りを訴え、長期にわたって戦線を離れる可能性があることだ。助っ人投手コンビの同時離脱は想定外の事態。チームはなんとか首位を守っているが、夏場に向け、やりくりが一層苦しくなりそうだ。

 福島での試合前、ポレダが検査のため米国に一時帰国したことについて、堤GMは渋い表情で口を開いた。同GMによれば、本人は以前から張りを訴えており「信用できるドクターに、セカンドオピニオンを受けたいということだった」と説明した。

 再来日予定は1週間後。チームスタッフは「こちらでの検査結果では特に異常は見当たらなかった」と首をかしげるが、米国での検査結果次第では復帰に相当な時間を要する可能性もある。

 キャンプ中に右肩の違和感を訴え、いまだ二軍で調整中のマイコラスと比べれば、ここまでポレダは“優等生”だった。ただ、開幕後につまずいた。今季は5試合に登板し、1勝3敗、防御率4・00。制球難で失点が続き、4月30日に登録を抹消された。これで自信を喪失したのか、前出のスタッフによると「肉体的な問題より、今は精神的に弱っているようだ」という。

 また、「セカンドオピニオンを聞きたい」というのは、同僚のマイコラスがキャンプ中に帰国した際と同じ理由だ。球団側は「アイツが帰ったのだから、オレもと思ったんじゃないか」と、マイコラスの行動も影響しているとみている。

 そうなると、たとえ再来日しても、大車輪の活躍は期待できそうもない。ただでさえ、現在の一軍ローテは谷間を埋めるのに窮している状態だ。球団はトレード補強や、さらなる外国人獲得も模索しているが「この時期になると、好投手を探すのはなかなか難しい」(球団幹部)。来週以降は6連戦が続くだけに、さらに苦しい戦いになるのは目に見えている。

 この日の試合は、先発の菅野と並んでローテを引っ張る田口が、8回6安打1失点と奮投したものの、打線がDeNA左腕・石田の前に4安打と沈黙。最下位相手に痛い連敗を喫した。ただ、投手の台所事情がこれだけ苦しいなかでも、いまだに首位に立っているのは、地力があると見るべきか。

 零封負けの試合について「田口は良かったんじゃないですか。打線が頑張らないと? そうですねと言うしかない」と淡々と振り返った由伸監督に、まだ動じる様子は見られないが…。シーズン序盤から、綱渡りのやりくりが続く巨人。この先、どこまで持ちこたえることができるか。