名古屋地区で朝の情報番組戦線に異変勃発だ。テレビ朝日系列のメ~テレが制作している「ドデスカ!」(毎週月~金曜・6時~8時)の視聴率が4月に入って大幅アップ。「めざましテレビ」(東海テレビ=フジ系)、「ZIP!」(中京テレビ=日テレ系)という全国ネットの人気番組に肉薄して激しい首位争いを演じている。

 これまで東海地区では「めざまし」が民放首位を独走。それを「ZIP」が追い、地元ローカル番組の「ドデスカ」は民放3番手だった。

 ただ、「ドデスカ」の4月の平均視聴率に変化が。1部(6時~6時45分)が5・7%、2部(6時45分~8時)が9・1%と3月平均と比べ1部、2部ともに1ポイント近く上昇。「めざまし」の9・8%、「ZIP」の9・2%(いずれも「ドデスカ」の2部の時間帯)を完全に射程圏内に捉えている。実際、4月は21、27、28、29日の4日間、2部の時間帯で民放トップに立った。

 この視聴率アップにはいくつかの要因が考えられるが、その一つが“ビシエド効果”だ。同番組は6時10分ごろから約10分間、スポーツコーナーがあり、中日戦の試合結果がメーン。いまの中日は新4番・ビシエドが打ちまくり、セ・リーグの首位戦線をかきまわしているとあって名古屋の視聴者の関心度も高くなっている。

「1部で放送しているスポーツコーナーが初動のエンジン役になっています。1部の数字がよければ、そのまま2部にもつながりますからね。この時間、他局は全国ネットの番組なので中日戦を大きく扱うのは『ドデスカ!』だけ。今後もビシエド選手には活躍してもらいたいです」と番組の清水伸司チーフプロデューサーも期待している。

 さらに「『めざまし』はメーンだった加藤綾子が4月1日に番組を卒業したことで大きく視聴率を落としている」(地元テレビ関係者)。これもシ烈な視聴率争いになっている要因の一つだ。全国ネットの番組とは予算も規模も違うローカル局制作の情報番組が、どこまで突っ走れるか。