西武が8日の日本ハム戦(西武プリンス)で天敵の戦術を拝借して大谷攻略に成功した。昨季1勝5敗、防御率1・71と大谷翔平投手(21)の最多勝にもっとも貢献したが、今季初対戦では6回10安打4得点でKOした。西武・田辺徳雄監督(49)は「大振りせずコンパクトに振り抜いていこうと野手に言った」と振り返った。

 西武関係者は「今季大谷と3度対戦したロッテ伊東勤監督の戦い方が参考になった。ロッテは角中、鈴木らコンパクトに振るタイプがデスパイネら大砲よりも大谷をうまく打っている。大谷は下位打線相手だと力を抜くクセがあるのでカウント球を捉える。立ち上がりが不安定な大谷を序盤に攻略するのが効果的」と明かした。

 ロッテは今季、大谷を相手に3戦1勝1敗ながら1、2回に計9点を奪っている。西武もこの日、2回に無死一、三塁の好機をつくり惜しくも得点は奪えなかったものの、メヒアの14号ソロで反撃の口火を切ると下位打線からコツコツと安打を積み重ね大谷を攻略した。

 2004年から07年まで西武の指揮を執ったロッテ伊東監督とは現在は絶縁状態。それどころか、ロッテは昨季もギリギリまでAクラス争いをして敗れた“天敵”となっている。「球団としてはいろいろあったけど伊東監督の勝負勘はやっぱりすごい」と前出の西武関係者。西武はプライドをかなぐり捨てて、大谷から白星をもぎとった格好だ。