巨人は6日の中日戦(東京ドーム)に2―7で完敗。先発した長谷川潤(24)が史上初となる育成出身1年目で初先発初勝利を挙げるかに注目が集まった。

 昨秋のドラフトで116人中116番目、育成8位で指名され巨人に入団したサイドスロー右腕は、3月28日に支配下登録。育成出身でルーキーイヤーに先発すること自体が初の快挙で、ドーム内はシンデレラボーイ誕生の期待感に包まれた。初回は一死満塁のピンチを招くもナニータ、エルナンデスを連続見逃し三振。4回まで無失点で切り抜けたが、1―0の5回につかまり4失点で途中降板した。

「どんなにヒットを打たれても粘るという自分の投球をしようと思っていました。今日の登板を今後に生かしていきたい」と語った長谷川について、由伸監督は「課題も何も今日初めて投げたわけだから。コントロールも良くストライクも取れるし、試合をきっちり作れた」とたたえた。

 球史に残る初白星はならなかったものの、長谷川のスピード出世の衝撃はチーム内だけでなく、なぜかテレビ東京にも広がった。実は7日放送予定の人気情報バラエティー番組「出没!アド街ック天国」は「よみうりランド」がテーマで、プロ野球選手と身近に触れ合える場所として隣接するジャイアンツ球場にも取材クルーが訪れていた。

 その中には支配下に成り上がった長谷川が熱心にファンサービスするシーンも収められていた。ところが、エース菅野やマイコラスらで同様の映像をとれたこともあり「残念ながら編集の段階でカットになりました。ネームバリューのところで今回は厳しいとの判断でした」(テレ東関係者)という。

 ただ、もしこの日長谷川が昇格即先発となることが事前に分かっていたとしたら、同局の判断はまた違うものになっていたかもしれない。いずれにせよ、長谷川は“落選ショック”をバネに飛躍したいところだ。