【新井2000安打】阪神・金本監督にケチと言われる新井の意外な男気

2016年04月27日 15時50分

2003年1月、失策王の罰として丸刈りになったことも

【取材のウラ側 現場ノート】広島担当2年目、新井貴浩内野手から「一緒に風呂に行きませんか?」と誘われた。連れて行かれたのは広島市内のサウナ。当時はレギュラーに定着し始めたとはいえ、まだ売り出し中の立場で年俸も1500万円ほど。年齢的にも社会人としても、こちらが先輩だ。さすがに支払わせるのはしのびなく思い財布を取り出した。

 しかし、2人合わせても3000円足らずの入浴料を新井は「自分が払います」と言って譲らない。サウナのフロント前で押し問答になった。それ以降も何度か食事や飲みに行ったが、こちらの支払いをかたくなに拒む姿勢は変わらない。その意外な?男気には感心したものだ。もっとも、兄貴分の金本(現阪神監督)に言わせれば「セコくてケチで恩知らずな男」ということになるのだが…。

 選手としては、むしろダメだった姿の印象のほうが強い。2002年にはチームでダントツの16失策の罰ゲームで丸刈りに。03年には阪神へ去った金本の代わりに開幕から4番に座ったが、一時は打率1割台に低迷。球団には「しっかりしろ」「4番を外せ」などと苦情メールが殺到した。当時の「精神的にキツイですよ…」と憔悴(しょうすい)し切った表情を思い出す。

 その“新井サン”がやがて本塁打王と打点王に輝き、ついには2000安打まで達成するとは…。世の中、分からないものだ。(00~04年、広島担当・小原太郎)