ソフトバンクの柳田悠岐外野手(27)が今日19日にも世界の王に並ぶ。開幕から積み上げた四球は24個。これは王球団会長のシーズン158四球を上回る驚異のペースで、開幕から続く17試合連続四球で日本記録にリーチをかけている。あくまでも受け身な記録で本人に欲はないようだが、周囲の期待は高まる一方だ。

 いよいよ柳田が本塁打の世界記録を持つ王会長と肩を並べる。開幕からの17試合連続四球は、1970年の王貞治(現ソフトバンク会長)の日本記録まで、あと1だ。

 王会長が「彼はそんなに気にしてないから」と話すように、本人の中に記録を目指して…という思いはない。ただ、柳田が今のペースなら更新可能な74年のシーズン158四球を含め、本塁打記録以上に塗り替えることが至難と思われていた。周囲が盛り上がるのも無理はない。

 大道典良打撃コーチ(46)は「すごい価値がありますよ。個人的には四球はヒットと同じというか、それ以上と思っている。相手に球数を投げさせているわけだし、次の打者もストライクを取りにくるところを打てたりするわけですから」と興奮気味。その上で「ここまで来たら何とか達成してほしい。だって、あの王さんの記録ですよ。こんなチャンスは二度とないかもしれない」と力をこめる。

 球団内もわいている。ある関係者は「さすがに日本記録に並んだら、記念グッズを作るんじゃないですかね。ギータ(柳田)散歩グッズ」と力説する。

 前人未至の領域に足を踏み入れようとしている柳田を、工藤公康監督(52)は投手目線で「逆方向に引っ張ったような打球を飛ばせるんだからね。そこだよね。大宮(の西武戦)での打球なんてビックリした。ああ、レフトライナーかと思ったらフェンス直撃。しかも、崩されてでしょ。あそこまで振ってるのに、当てて角度をつけられるというのがすごい」と評する。

 今日19日からはQVCマリンフィールドでロッテとの首位攻防戦に臨む。勝利第一の中でも、柳田の大記録に注目が集まる。