広島の“アラフォー打線”の猛威が止まらない。チーム打率2割8分3厘は12球団トップ。絶好調の赤ヘル打線をけん引しているのが中日から移籍した4番のエクトル・ルナ内野手(36)、打率3割7分9厘でリーグ2位の5番、ブラッド・エルドレッド内野手(35)、通算2000安打目前の6番、新井貴浩内野手(39)の3人だ。

 14日の中日戦(マツダ)では、エル砲が追加点となる3号ソロ。新井も2安打で名球会入りまで「9」に迫った。ルナは守備ではセ・リーグ三塁手最多記録となる1試合4失策と精彩を欠いたが、8回に右前打を放った。チームも10―1で圧勝し、首位タイに再浮上だ。

 一方、開幕から16試合出続けているベテラントリオの疲労が気になるのも確か。しかし、石井琢朗打撃コーチ(45)は「大丈夫ですよ」と問題なしを強調した。というのも、今月は先週から3週にわたり5試合の日程。6連戦が少ないことから「日程的に有利だし疲れはたまってないはず。来月、再来月になって一気に疲労がくるということもないと思う」と指摘した。

 とはいえ、3選手とも故障の経験があり“勤続疲労”の不安もある。石井コーチは「途中交代などでうまく対応している。相当な連戦が続けば、休ませることも考えるが今のところは頭にない。もちろん最終的に打順は(緒方)監督が決めることだけど、今は結果が出ているしね」と、そんな心配はどこ吹く風だ。

 新井は目前に迫った大記録に「まだ意識はないです」としつつも「明日(15日)1日空くので、体調を引き締めて次の試合に臨みたい」と、体のケアは十分気にかけていると告白。アラフォー打線がこのまま衰え知らずだと、25年ぶりのリーグ制覇も夢ではない。