西武好調の一因となっているのが森友哉(20)の上位起用。その狙いは森の多すぎる三振数を減らし、打撃の幅を広げることにあった。

 10日のロッテ戦(QVC)で西武は2―4で敗れたものの、首位・楽天と0・5ゲーム差の2位タイ。「3番・右翼」で先発出場した森は4打数2安打のマルチで打率2割8分1厘、1本塁打と好調をキープしている。

 8、9日のロッテ戦で首脳陣は「2番・右翼・森」の新布陣を敷いた。橋上作戦コーチは「森につなぎの打撃の意識を持たせるため」と意図を明かした。

 昨季の森は打率2割8分7厘、17本塁打、51打点の好成績も、143三振は中村(172)、メヒア(153)に次ぐリーグワースト3位。中村が37本で本塁打王に輝き、メヒアが27本塁打を放っただけに森の三振数の削減は2年連続Bクラスから脱出を狙う西武の課題となった。今季も森は6番で4試合に先発出場。代打も含め8試合で12三振を喫した。だが2番起用後の森は3試合で8打数3安打3四球で三振数は0だった。「後ろが(大阪桐蔭の)先輩だとよりつなぐ意識が高くなる」(橋上コーチ)と浅村、中村の前に配置することで大振りが避けられるという。もっともコンパクトに逆方向を狙えば、森の最大の魅力であるフルスイングが失われ、本塁打も減ることになるが…。上位をうかがうためにも、今後はチーム打撃を優先させたいようだ。

 森は「打順によっていろいろな役割があるので対応している。打撃の引き出しを引き出してもらっている」と謙虚に答えた。広角に打てて甘い球はスタンドインする。大打者の理想像に向けて森がモデルチェンジを図っている。