西武が開幕カードのオリックス戦(西武プリンス)を2勝1敗と勝ち越し。29日からソフトバンクとの2連戦を迎える。自慢の重量打線は開幕3連戦で両リーグ最多の18得点を叩き出したが、本塁打はゼロ。全ての得点を四死球、相手の失策に絡めた「つなぎ」のチーム打撃で稼いだ。

 主将の栗山が「今年(の打線)は畳み掛けるような勢いを感じる」というように選手の手応えは上々。その仕掛け人は楽天から移籍してきた橋上秀樹作戦コーチ(50)だ。橋上改革は選手個々との個別ミーティングや技術指導まで多岐にわたるが、分かりやすい変更は4番・中村の前後を打つ3番・メヒアと5番・浅村を入れ替えたことだ。昨季は3番・浅村、5番・メヒアだった。

 その効果をチーム関係者は「昨年後半は足のある秋山、栗山、浅村の1~3番を抑えてしまえば、4~6番の重量トリオは一発さえ防げばOKという対策を敷かれ、打線を分断されてきた。足もあって一発も警戒せざるを得ない浅村を5番に置くことで、相手にとっては息の抜けない打線になり下位打線への流れも変わってきた」と西武内部にはなかった“外野の目”の効能を語る。

 さらに橋上コーチの存在は、西武が頭を悩ませてきたソフトバンク対策に効果があるのではと期待されている。西武は2010年オフに主戦捕手・細川がソフトバンクにFA移籍してから5年連続で負け越し。球団内には「データ以上に個々の選手の性格や状況による行動パターンを知り尽くした細川の流出が結果的に痛かった」とする声があった。

 果たして橋上コーチは、最初のソフトバンクとの対決でどんな仕掛けを見せるのか。まずはお手並み拝見だ。