中日が27日の阪神戦(京セラ)に4―5で敗れ、開幕カードに負け越した。ただそんな敗戦の中で新主砲のダヤン・ビシエド外野手(27)がひと際、存在感を発揮した。4回に藤川からバックスクリーンに3号ソロを叩き込み、新助っ人としては史上初となる開幕から3試合連続の一発。さらに2点適時打など連日の猛打賞の活躍を見せ、谷繁監督も「すごいですね」と感嘆の声を上げた。

「感覚がとてもいい。それが一番。いいスイングができている」と胸を張ったビシエドだが、そんな新主砲は“こだわりの男”でもある。その一つが外野手登録。そもそも中日はビシエドを一塁で起用するために獲得した。実際にキャンプでも外野の練習はほぼしておらず、オープン戦などでも守ったのは一塁だけ。ところがなぜか登録は外野手。実はこれは本人の強い要望だった。「プライドだそうです。メジャーでは外野手としてやってきた。自分は内野手ではなく外野手なんだ、という」(チーム関係者)

 本塁打にもある意味でこだわりがある。メジャー通算66発を打った長距離砲だが「自分は本塁打を狙って打ったことはない。本塁打を打つためにやっているわけじゃない。あんまり本塁打のことは言わないでくれ」となぜか拒否反応を示す。チームが勝つことが一番で、個人の記録を狙っているなどと勘違いされたくないようだ。そんな男だけにバット選びも入念。日本製のバットなども試しながら、最終的には以前から使用しているバットに落ち着いた。こだわりの主砲・ビシエドがセ・リーグを席巻しそうだ。