今年も打線で苦労するのか――。広島はDeNAとの開幕戦(25日、マツダ)で先発のジョンソンが8回2失点と好投したものの、打線が8回に菊池の犠飛で1点を返すのが精一杯。1―2で敗れ、昨年に続く黒星スタートとなった。通算2000安打に残り29本で開幕を迎えた新井は2安打したが、チームで計4安打では手の打ちようもなかった。

 新たな試みは不発に終わった。指揮官は「1回にビッグイニングが作れる打線」として1~3番に足のある選手を置き、“つなぎの4番”としてルナ、5、6番に大砲のエルドレッド、新井を配置。7番には「オープン戦の終盤から粘りを見せてくれた」と、4年目で初の一軍スタートとなった下水流を抜てきした。

 しかし、攻撃陣は井納の適度に荒れた球をとらえきれない。2回、ルナの四球で先頭打者を出すものの、頼みの新井、下水流が連続三振。本塁が遠い展開となった。


 ジョンソンは役目を果たした。初回は持ち味のストライク先行の投球で3者凡退。3回以降は7回まで無安打に抑えた。失点したのは2回だけ。先頭の筒香に四球を与えて続くロマックに右前打でつながれると、新人の柴田に初球を狙い打ちされて2者生還。それでも8回を投げて2失点なら責められない。

 ジョンソンは「打たれたヒットも結果的に野手の間を抜けただけで、打ち取った当たり。今日の投球は思ったとおりの内容だった。投げる以上、勝ち負けが必ずつく。負けは悔しいが、明日からチームがしっかり勝ってくれればいい」と敗戦にも前向きだった。緒方監督も「ジョンソンはよかった。ワンチャンスをものにされ先制された」と左腕をかばったが、打線の元気のなさは気がかりだ。

 8回裏の攻撃が終わると、1点差に迫る犠飛を放った菊池と最後の打者となった丸をベンチに下げるなど“荒療治”に出たが、反撃はならなかった。緒方監督は「オープン戦か

ら井納は出来が良く、ある程度てこずると思っていた。だが、いい当たりが正面にいったりハードラックな部分もあった。明日から切り替えてきましょう」と冷静に話したが、結果が伴わなければ勢いは出ない。

 今日26日はオープン戦3試合で防御率5・68と調子の上がらなかった黒田が先発マウンドに上がる。赤ヘルはベテラン右腕の男気で、悪い流れを断つ。