中日の開幕一軍メンバーには、昨オフに多くのベテランが引退したこともあってフレッシュな選手が数多く登録された。なかでもプロ2年目で初の開幕一軍となった遠藤一星内野手(27)と、5年目の高橋周平内野手(22)は今季の中日を占う注目選手だろう。遠藤は今季、クリーンアップの一角である3番を任されることが濃厚で、高橋も三塁でスタメン起用が確実。谷繁監督は「これがすべてじゃないが、彼たちがどう成長してチームが勝っていけるか」と2人に大きな期待をかけている。

 もっとも、そんな2人には不安の声も…。その声の主は誰あろう加藤秀司チーフ打撃兼野手総合コーチ(67)だ。「遠藤も7番ぐらいを打つんだったらいいけど、3番だったら、もう少し安定してほしい。高橋はどんなボールにも対応できるようにならないと。どんなボールでも芯に当てられる確率が高くなれば、もっといい成績を上げられるんだけど」と苦言を呈す。

 さらには打撃への姿勢にも物足りなさを感じているという。「俺に比べて、ということなんだけど、全体的に(中日の)若い子が完璧(主義)な子が多い。もっともっと荒々しくずうずうしくやっていいと思う。きれいに打とうとしすぎて、自分が描いた打ち方じゃないと満足しない」

 オープン戦で遠藤は49打数12安打、打率2割4分5厘、0本塁打、5打点。高橋は46打数9安打、打率1割9分6厘、1本塁打、3打点と、ともに結果を残してレギュラーを勝ち取ったわけではない。守るものなど何もないのだから、もう少し思い切ってやってほしいということなのだろうが…。