中日・谷繁元信監督(45)が14日、横浜市内で行われた「セ・リーグファンミーティング2016」において6球団の監督で唯一、開幕投手の公表を拒否した。大野で内定しているのはチーム内外でも明らかな中で「言わないでおこうと前から決めていた。(ファンミーティングが)言う場になってるから1人ぐらい違う者がいてもいいのでは。(予告先発だから)煙幕とは違う。変わり者と思われるかもしれないけど、本人には(キャンプインの)2月1日に伝えてある。その準備はしてくれてると思う」と話した。

 これについてチーム関係者はこう解説する。「昨年、一昨年と谷繁監督は自分の考えに反して開幕投手を(この場で)発表したけど、結果は開幕カードから流れをつかめずじまい。今年は、それを絶対に繰り返したくない。その気持ちもあって今回は意志を通したのだと思う」。開幕投手の公表について谷繁監督は「本人には伝えているけど僕は言いたくないタイプ」として過去にもこれを拒否しようとしてきたが、結局「ファンあってのプロ野球なので」という巨人・原監督(当時)ら野球界の先輩の考えに最終的には押し切られる形で一昨年は川上、昨年は山井と明かした。しかし、一昨年は開幕戦黒星を含む1勝2敗、昨年は3戦全敗と開幕カードは2年連続で負け越しと散々。「何とかやり返したいという思いがある」という指揮官は負の流れを変えるためにも、3度目の今年は何があっても屈しないと決め、最後まで口を割らなかったわけだ。

 周囲から“空気を読めない監督”と陰口を叩かれようが、これも運気をつかむため。「監督の今年にかけるすごい意気込みを感じる」(別の関係者)。谷繁監督は今年こそロケットスタートを決めるつもりだ。