阪神・金本知憲監督(47)と高橋由伸監督(40)の初の監督対決となった6日のオープン戦(甲子園)は6―1で阪神に軍配が上がった。巨人は由伸監督がチーム復活のキーマンに指名している内海哲也投手(33)が4回10安打6失点と大炎上。昨季は相次ぐ故障でわずか2勝に終わったベテラン左腕をめぐってはチーム内から異変を指摘する声が出ている。

 初回から毎回出塁を許しながらも3回まで1失点にまとめたが、4回につかまった。6番の狩野から高山、横田、小宮山、鳥谷、西岡と実に6連打を浴びて4点を失うと、さらに育成・原口の内野ゴロで1点を献上。この回だけで打者10人の猛攻にさらされて5失点でマウンドを降りた。

 由伸監督にとってはこの日が甲子園での初陣だったが、序盤の大量失点が響いてチームも敗北。ベテラン左腕は「まっすぐは良かった。段階は踏めている」と収穫も口にしたが、悪夢のような4回については「打たれたボールは真ん中。もっと繊細にコーナーを攻めないと、こういうことになる」と自らを戒めた。

 首脳陣は内海をオープン戦で再登板させる方針だが、悠長に構えてはいない。由伸監督は「打たれたのは高めに浮いた変化球が多かった。そのへんが課題じゃないですか。(次回登板は)当然、結果が必要でしょうね」とハードルを課した。

 内海は今季の復活にかける思いが強い。一方でチーム内では投手陣のリーダーの“変化”を口にする者は少なくない。チーム関係者は「去年、左腕をケガ(前腕部炎症)してから精神的に弱気になっているところもあるようだ。自信満々で若い投手陣を引っ張っていたころの内海ではないように見える」と指摘する。

 別の関係者によれば、昨季は故障がちで先発ローテーションを守れなかった後ろめたさからか、内海は1月に沖縄で行った自主トレの計画段階で周囲に「今回は何人来てくれるのか…」と不安を漏らしていたという。結果的に山口や小山、ハワイから沖縄に合流した宮国ら総勢6人で汗を流して大所帯の「内海組」は保たれたが、投手陣を束ねてきた内海の内面には揺らぐものがあったようだ。

 ただ、先発ローテーションにベテラン左腕は欠かせない。由伸監督の期待も裏切れない。果たして“強気の内海”は戻ってくるのか。