大下剛史氏「広島投手陣のキーマンは黒田じゃない」

2016年03月08日 10時00分

黒田に過大な期待をかけるのは酷だ

【大下剛史・熱血球論】6日の西武とのオープン戦で黒田が投げることができた。それが広島にとって何よりの収穫だ。天気予報は雨。試合が流れれば調整にも狂いが生じる。3回途中で6安打と打たれはしたが、全く心配はいらない。バントシフトやバックアップの練習ができて好都合だったぐらいに思っている。3回にメヒアの打球が左くるぶしに当たったのは余計だったが、問題はないだろう。

 

 ただ、黒田に過大な期待をかけるのは酷だ。ファンは「マエケンが抜けた穴を黒田とジョンソンの二枚看板で」と言うだろうが、それは違う。全てを本人に任せれば、おのずと結果を出す。それが黒田という男だ。首脳陣には負担をかけすぎないよう配慮してもらいたい。

 

 広島投手陣のキーマンに挙げたいのは6年目の福井だ。今年はキャンプから素晴らしい球を投げている。先発した5日の西武戦は5回で4四球と今年見た中で最悪の出来だった。ストライクとボールもはっきりしていたが、それでも5回無失点と試合を作った。悪いなりに投げきったのはむしろ大きな収穫だ。

 

 これまでの福井は四球から崩れていくのがお決まりのパターンだった。しかし、カーブでストライクを取るなど、力任せの投球から変貌した。特にフォークをものにしたのは大きい。昨年、自己最多の9勝を挙げた自信もあるだろう。精神面のモロさが影を潜めた。以前なら四球を出すたびに、野手は「またか」という思いに駆られたことだろうが、今は安心して守備に就いているように見える。

 

 開幕投手にはジョンソンが指名された。黒田も第2戦か第3戦に投げるだろう。ドラフト1位の岡田、2位の横山も面白い存在だ。新人どちらかが残りの1試合に先発して福井は第4戦。つまり裏ローテの軸という存在になるのではないか。

 

 開幕2カード目の中日には、昨季防御率1・55と相性もいい。福井が今年、12~13勝して貯金をつくるようなら、広島のリーグ制覇も見えてくる。特にセ・リーグは飛び抜けたチームがいない。25年ぶりの悲願達成のカギを握るのは福井だ。 (本紙専属評論家)

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