ついにメス入れ断行! V奪回に燃える阪神・金本知憲監督(47)が4日のソフトバンクとのオープン戦(ヤフオクドーム)終了後“鉄人チルドレン”の代表格だった2年目の江越大賀外野手(22)を二軍に降格させた。この日も4打数無安打3三振と精彩を欠き続ける愛弟子に我慢の限界となったわけだが、虎OBからは「江越に続いて落ちる若手も出てくる。指導する側はまさに正念場だ」との物騒な予告が…。

 この日の金本監督は、いつも以上に熱かった。試合はソフトバンク先発・摂津の前に“鉄人チルドレン”の陽川、江越らが2回までに4三振。あまりのふがいなさに指揮官は3回の攻撃前に早くも円陣を組んで「何となく打席に入って簡単に三振している! 攻めてない! 気持ちの準備ができていない!」などと異例の活で奮起を促した。そして試合後には「いろいろと悩むのはOK。誰でもやってくることでそれを何度も乗り越えないと長くレギュラーは張れない」「とにかく鍛えなおすということ」とオープン戦、対外試合含めて実戦10試合で24打数5安打の打率2割8厘、0本塁打、1打点(4日現在)と最悪状態にいる江越に「二軍降格」を命じた。

 ついに“鉄人チルドレン”の一人に初めてメスが入った。しかも、この江越は指揮官が就任会見などで「阪神はこれまで本塁打を打てる打者がいない。振る力では江越が群を抜いているし、期待している」と名前まで挙げたほどの逸材。キャンプでは何度も個人指導してきただけに、今回の「降格」は無念の思いで決定したに違いない。

 だが、問題は江越だけではない。ある虎OBは「これから一線級の投手が出てくれば江越に続いて苦労する若手は出てくる。その辺を監督がどうしていくのか。ダメでも何人かは一軍で英才教育するのか、あるいは這い上がって来い、と二軍に落とすのか。難しい判断が連続してやってくる」と指摘する。さらに別のOBは「ここからが金本監督、コーチ、指導する側の手腕が問われる。まさに正念場だ。指導して良くならせるのが仕事。悪くなるなら責任が問われる」とも…。

 確かに“鉄人チルドレン”で結果を出し続けているのは3年目の成長株・横田ぐらい。これまでの実戦で4本塁打を放った陽川も今や大型扇風機になりつつあるし、打撃に定評があった3年目の捕手・梅野も全く結果を残していない。指揮官が「優先起用」方針を決めたドラフト1位・高山俊外野手(22=明大)も調子を崩し始めているのが現状だ。

 3日の試合では緒方が右ヒザ死球にも屈せず出場志願するなど精神面では成長を見せた“鉄人チルドレン”。江越の「降格」が崩壊の始まりにならないように、ここは鉄人指揮官の腕に期待するしかない!?