巨人は4日、オリックス戦(京セラ)に3―2で逆転勝利。5連勝で6勝1敗とし、オープン戦ながら破竹の勢いだ。しかしながらオープン戦初登板となったドラフト1位ルーキー・桜井俊貴投手(22=立命大)は5回4安打2失点3四球とピリッとせず、今後への課題を露呈してしまった。

 立ち上がりからピンチを招いた。初回先頭の西野、続く小谷野にいずれも甘い直球をとらえられ、いきなりの連続安打。ボグセビックにも四球を与えて無死満塁とすると、モレルの左犠飛で簡単に先制点を許す。しかし続く中島の打球を右翼・長野がフェンス際で好捕。併殺で難を逃れた。

 だが3回も再びリズムが悪く、二死三塁からボグセビックに高めに浮いたフォークを右前へはじき返され、追加点を献上。続くモレルにもすっぽ抜けのカーブを左前打とされ、初回に続き連打を浴びた。

 試合後の桜井は「初回は緊張して力んでしまったのが反省点。球が高いと打たれるのは改めて痛感した」。高橋由伸監督は「悪いなりに何とかゲームを作った」と一応の及第点を与えたが、不安定な投球だったと言わざるを得ないだろう。実際、この日のドラ1右腕の投球を見終えたチーム関係者は「球離れが安定せず直球も変化球も全部高めに浮いていた」と本音を口にし、険しい表情だった。

 今季の開幕ローテ候補に名を連ねているのはエース・菅野、ポレダ、内海、高木勇、田口、マシソン、そして桜井だ。しかし、このドラ1右腕が現状のままでは明らかに大きな不安材料となる。マシソンには当初の先発転向プランから従来のセットアッパーとして起用する案もチーム内からは出始めており、そうなればなおさら桜井にかかる比重は大きくなる。

 チーム内からは「宮国や小山も先発ローテ候補に加えたほうがいいんじゃないか」との声も出ているほどで、桜井は開幕までに周囲の「?」を払拭できるのか。