巨人が25日、沖縄・那覇キャンプを打ち上げ、午後帰京した。グラウンドでは連日、若い戦力の猛アピールが目立ったが、高橋由伸監督(40)が新リーダーに指名する長野久義選手会長(31)と坂本勇人主将(27)の「サカチョーコンビ」も、陰ながらリーダーシップを発揮。チーム内での支持率が急上昇している。

 キャンプ最終日、ようやく沖縄らしい日差しが降り注ぐなか、由伸監督は充実感と安堵感をにじませて「大きなけが人も出なかったし、若い選手を始め、元気に実戦に出て、結果はともかく順調にできて良かった」と約3週間を振り返った。

 実戦が本格的にスタートした沖縄キャンプでは、若い戦力が輝きを放った。なかでもドラフト1位の桜井俊貴投手(22=立命大)は期待通りの安定感を発揮し、同2位の重信慎之介外野手(22=早大)も打って走っての大活躍で、一気に開幕スタメン候補に浮上。2年目の岡本、3年目の和田らも存在感をアピールした。

 ただ、そうして若手がグラウンドでのプレーに集中できたのも、リーダー2人の気遣いや支えがあったからでもある。主将1年目の昨季を振り返り「キャプテンらしいことはできなかった」と反省していた坂本が、今キャンプでひそかに始めたのが“飲みニケーション”だ。

 前主将の阿部は、節目ごとに決起集会を開いて結束を図っていたが、坂本は「僕は大勢集めて…というのは苦手。だから、個別にちょこちょこ誘っていきますよ」と宣言。早速、合同自主トレ中に開かれた“キャプテン会”に参加した桜井は、その席で坂本から「ちゃんと考えて、練習から目的意識を持ってやらないと活躍できないよ」と助言を受けて感激し「キャンプ中はその言葉を念頭に置いてやってきました」と感謝していた。

 一方、新選手会長の長野も、球界随一といわれる気配り精神を発揮してナインの心をつかんだ。キャンプ最終日前夜の門限は、練習日前日の規定で午後11時。だが「キャンプ中にお世話になった方々や、お店へのあいさつも大切」と考える長野は、マネジャーに相談の上、球団幹部に直談判。1時間の門限延長を勝ち取り、選手やスタッフの喝采を浴びた。

 最終日の手締めあいさつ。長野が「秋には監督を胴上げできるよう、選手一同頑張っていきます!」とファンに誓えば、坂本も「選手の間でも話し合って、どんどん意見を言うようにしていきたい。これから課題も出てくると思うので、選手の代表としてやっていきたい」と主将らしく決意表明した。今後もサカチョーコンビが若いチームをまとめられるか。由伸巨人の命運は、2人の働きにもかかっている。