これも大物の証明か。二軍調整中の阪神ドラフト1位ルーキー・高山俊外野手(22=明大)が22日、四国アイランドリーグplus高知との練習試合(安芸)に「1番左翼」で先発出場し、3打数3安打1四球と大暴れした。この一報に大慌てしたのが他球団007。一軍ナイン以上に警戒し始めた。

 昨年10月に受けた右手首手術の影響で出遅れ、高知・安芸での二軍キャンプスタートとなった高山。東京六大学リーグの最多安打記録を塗り替えた安打製造機らしく、実戦デビュー2戦目となったこの日は第1打席から左前打、右前打、中前打の順に広角に打ち返す“猛打ショー”を披露した。

 まだ守備の際のスローイングなどは万全とは言えないが、もはや打撃に関しては問題なし。二軍キャンプは24日に打ち上げとなり、その後の一軍合流が注目される。金本監督は「早く(一軍で)見たいとは思っている。時期? これから(首脳陣と)話をする」と話した。

 そんな中、顔を青くしていたのが他球団007だ。この日、沖縄・宜野座一軍キャンプの偵察に訪れていたセ球団スコアラーは主力選手のチェックを一時中断し、キャンプ地に設置されているテレビでの二軍試合中継を見ていたが、画面に映る高山の3方向へ打ち分けたレベルの高い打撃に驚がく。あるスコアラーは「強いスイングで力強い打球が飛んでいた。手首の状態は全く問題ない。近いうちにこっち(宜野座)に上がってくるんだろうから、しっかり見ないといけない。やっぱりいいものを持っている」と早速、今後は徹底した情報収集に努めることを明かした。

 また別のスコアラーは「高山が二軍で結果を出していくと、一軍の若手が(入れ替え対象にならないように)もっともっと練習するのは間違いない。そうなるとまたチーム力が上がってくる」と“高山余波”まで言及して警戒を強めた。阪神では3年目・横田、2年目・江越らが、金本監督の若手積極登用方針に奮起。これも高山の存在が影響していると他球団007は分析しており、当の高山が一軍昇格すれば「さらに(阪神の)若手の競争意識が刺激される」とピリピリだ。

 まだ一軍でもないのに他球団007を慌てさせた高山。やはりただ者ではない。