【伊原春樹「鬼の手帳」中日編】気になっていたのは昨年のルナ(広島に移籍)に代わって入団した新外国人の(ダヤン)ビシエド(26=前ホワイトソックス3A)がどうなのか、ということ。オープン戦2試合でもまだヒットが出ていない。谷繁監督には率直に「どうなの?」って聞いてみた。すると「いけるんじゃないですか。いけると思いますよ」との答えが返ってきた。

 新外国人選手も含めて谷繁監督は野手に関してはそれほど心配していないような感じだった。ただ、その中で「何とか誰か独り立ちしてくれればいいんだけど。何とか育てたい」と話していたのがキャッチャー。中日は松井雅を含め一軍は3人、そして二軍に杉山と正捕手候補が4人いる。なかでもルーキーの木下(拓哉=24、トヨタ自動車)については「ちょっと面白いと思いますよ」と言っていた。

 投手陣も「先発はある程度数がそろってきた」と自信を持っている。だからこそ「中継ぎがどれだけ…」という話になった。谷繁監督は「昨年はどことやっても僅差のいいゲームはしていた」という。結果的に負けがついたのは中継ぎや福谷などクローザーが心もとなかったから。ここらが整備されれば悪くても3位には食い込んでくるのではないか。

 谷繁監督は今季は専任になって4年契約の3年目。この世界は契約なんてものはあってないようなもの。結果が悪ければ切られる世界。そういう覚悟はしていると思う。どこの監督とは言わないけど、勝てなきゃ早々に休養ということだってある。監督になると何を待つかといったらクビを待つわけだから。勝負の3年目。それだけの腹を据えてやっていると思う。

 ガッツ(小笠原道大=42)が中日の二軍監督になったので読谷の二軍キャンプも表敬訪問した。みんなコーチが年上でどうかと思ったけど「その場所、場所で担当のコーチがやってくれるんですごく助かってます」と話していた。どんな選手を育てるか、楽しみだ。