阪神 江夏氏の現場介入にチーム困惑

2016年02月20日 10時00分

伸び悩む若手の秋山(右)を指導する江夏氏

 阪神の“伝説OB”江夏豊氏(67)が18日、沖縄・宜野座キャンプを席巻した。今年は二軍で「臨時コーチ」を務めたが一軍では金本知憲監督(47)を励まし、若手投手には助言も惜しまず…。それだけにとどまらず「選手起用」に関しても介入。チームにとっては“耳の痛い指摘”で何やら困惑するハメに…。

 

 テレビ局の取材で訪れたレジェンド左腕だったが、ブルペンを視察すると若手の岩貞や秋山に熱血指導。さらに、就任1年目の金本監督に対しては「俺からすれば監督らしくない監督。カネ自身が模索してガムシャラにやっている。それだけチームにとっては新鮮味がある。チームを明るくしたいと言っていたので『お前が明るくやらないといけないぞ』と伝えたよ」と“江夏節”だ。

 

 ここまでならば、ある意味、OBが古巣を激励する際によくある光景。しかし、それだけで終わらないのが江夏氏だった。「個人的な意見では大和のセンターはタイガースにとって強力なもの。センターラインを固めることは大事だと思う」と発言。これに周囲はざわついた。というのも攻撃重視の指揮官の方針で今キャンプの大和は二塁手へ配置転換。大和も「挑戦者なので実戦で結果を残さないと」と本腰を入れ、ここまで外野の守備練習は一切行っていない。

 

 実際、指揮官の思惑通りに二塁は上本、西岡、大和の間でハイレベルな争いが繰り広げられ、外野は江越や横田など打力が売りの若手が台頭しつつある。そんな状況での“江夏提言”に現場は困惑するばかり。あるコーチは「まあ、いろいろな意見があるから…。江夏さんはピッチャーの目線で言われたのだろう。やはり、大和の外野守備はかなりのもの。投手にとって守備が上手な外野手はありがたいものだからね。あまりこれ以上は言えないが…」と漏らしたほどだ。

 

 いまさらうまくいっているチーム方針や競争を変えるわけにはいかない。しかし、大先輩である江夏氏の意見が“耳の痛い話”なのも事実。投手陣の間で「アイツの外野守備は一級品」と江夏氏と同じように、外野でのゴールデン・グラブ賞の受賞歴もある大和のセンターの守備力に期待を寄せている投手は少なくないからだ。

 

 江夏氏といえば昨年11月に行われた故中村勝広GMの「お別れ会」で「何でカケ(掛布二軍監督)を一軍に置かないのかなと。今年の阪神の戦いを見ると投手陣はよかったけど打線がな…。カケを一軍に置いたほうがよかった、と思っている。これは俺だけじゃないと思う」と爆弾発言して物議を醸したばかり。そして今回の「大和センター起用発言」。どれも核心を突くものばかりで、さすがは歯に衣着せぬ一匹狼。江夏氏の忌憚(きたん)ない発言が金本阪神のいい“スパイス”になればいいが、果たして…。