【薬物 逮捕でアウト!番長の転落と闇(13)】覚醒剤取締法違反(所持)で逮捕された清原和博容疑者(48)は取り調べで、かつてのタニマチ兼“シャブ仲間”の40代の元会社社長に「ハメられた!!」と供述しているという。元社長は複数の週刊誌上で、同容疑者との薬物使用歴などを証言しているが、事情を知る関係者からは「一部、重大な虚言がある」との声が上がっている。いまだ入手先を明かしていないという同容疑者だが、覚醒剤を売った密売人とみられる群馬県内の男も逮捕され、次第に追い詰められている。

 清原容疑者と20年来の親交があるという元社長は複数の週刊誌に対し、同容疑者が少なくとも17年前から違法薬物を使用していたことや、2014年3月に週刊文春が同容疑者の薬物疑惑を報道した後も「毎日のように一緒にシャブを使った」などと証言している。

 だが、2人を知る関係者は「元社長は、清原がヤクザに頼んで自分(元社長)を脅したとか、清原にクスリをやめるように忠告したが聞き入れられなかったと告白していますが、これはあやしい。清原の逮捕後に出た各週刊誌の記事で、実は元社長がしゃべった時期は昨夏から昨秋にかけて。このころ、元社長は覚醒剤事件で実刑判決を受け、高裁に控訴中で保釈の身でした。裁判所の心証を良くするために自分の都合のいいように週刊誌に話していた部分があります」という。

 清原容疑者の事件に関連し、一部紙が9日「昨年2月に密売人との仲介役だったとみられる男が覚醒剤所持容疑で逮捕されていた」と報じた「仲介者」がこの元社長だ。元社長は01年にコカイン所持で逮捕され、執行猶予付きの有罪判決を受けた過去がある。このコカインが「キヨから預かったものだった」とも重大証言している。

「コカインの一件で清原は元社長に恩義を感じ、親友のような関係になったのですが、後にこれをネタに元社長から清原が脅されていたという情報もあった」とは2人を知る飲食店関係者だ。

 昨年には銀座で2人が大モメする決定的な現場も目撃されていた。

「元社長は昨年6月、清原と銀座のクラブで落ち合って、明け方の4時近くまでモメていたのです。久しぶりにそのクラブに顔を出した元社長は清原と会うと、かなり強い口調で責めていました。『クスリのことをバラすぞ!!』と暗に金を要求してました。でも清原は、要求をはねつけていたんです」(銀座関係者)

 これ以降、元社長は清原容疑者の関係者や週刊誌に清原ネタの売り込みを開始。同時に、同容疑者逮捕に向けて捜査を続けていた捜査関係者とも接触し“協力者”にもなっていたという。

「清原本人との話し合いが物別れに終わった元社長が、なぜか芸能関係者に『清原のネタを買わないか』という話を持ちかけていた。それを知った気の弱い清原はいつバラされるか分からないとおびえて、より覚醒剤に依存するようになった部分もあると思いますよ」(芸能プロ関係者)

 清原容疑者への覚醒剤の供給源だったともみられている元社長が昨年2月に逮捕されると、清原容疑者は、この元社長の仕入れ先だった群馬の密売人の元へ1人で出向くようになったとされる。その密売人とみられる男が15日に逮捕された群馬・みどり市の小林和之容疑者(44)だったのだ。

 清原容疑者は、小林容疑者との覚醒剤売買から足がついたために「あいつ(元社長)にハメられた!!」と取り調べで、恨みの言葉を供述しているという。

 だが、プロ野球現役選手時代から20年近くにわたって薬物におぼれ、逮捕時には重度の覚醒剤依存症となっていたのは清原容疑者本人。元社長が裏切ったという怒りは完全にお門違いだ。

 とはいえ、結果的には清原逮捕の捜査協力者=キーマンとなった元社長の証言は吟味した方がよさそうだ。