ソフトバンクの松坂大輔投手(35)が16日、二軍のフリー打撃に登板。実に272日ぶりとなる対打者の投球に臨んだ。

 城所、釜元に対して合計35球を投げて、ヒット性の当たりは3本。城所には右翼ポール直撃の一発も浴びたが、球種を伝えながらの投球にもかかわらず3つの空振りを奪った。伝家の宝刀・スライダーのキレ味も抜群で変化球がさえた。

 そんな右腕にはチーム内から“ニュー松坂”としての復活は可能との見方が広がっている。投球フォームは下半身主導を意識し、完全に上体に頼っていた昨季とは違うもの。この日の投球を見たチーム関係者も「まだ難点はあるけど、以前と比べればフォームは断然いいからね」。

 その上で「去年からそうだけど、とにかく変化球は素晴らしいから。それこそ6回で2、3失点くらいの感じだろうし、本人がそれで納得するかは分からないけど、ウチの打線を考えれば正直2桁勝てる投球はできると思う」。別の関係者からも「昔のように完投完封とはいかないよ。だけど、あの感じなら変化球をうまく使って、5回、6回は投げて先発としての役割は果たしてくれるはず」との声が出た。

 ただ、逆を言えば、直球に関してはもうひとつとも見られている。フリー打撃後、ブルペンのカギを閉めて密室状態で投球した松坂も「少しくらい集中して投げたかった。直球をもう少しどうにかしたいという思いがあるので」と話した。

 平成の怪物も9月13日で36歳。当然、かつてとは違うスタイルになるだろうが…。さらなる上方修正はできるのか。