中日のドラフト1位ルーキー・小笠原慎之介投手(18=東海大相模)に危険な兆候が出ている。

 14日、3日ぶりにブルペンで投げたが、40球を過ぎたところで森ヘッドコーチから「あと6球でやめておけ」と緊急ストップを命じられた。50球を投げるとクールダウンもせずに、そのままサブグラウンドへ直行。そこで三塁ベース付近から一塁への“遠投”を行い、森コーチからフォームチェックを受けた。

 小笠原は「上半身と下半身がマッチしていない。これ以上やっても意味がないと思ってやめました」と、あくまで自分の判断で投球を中断したと強調。だがはた目には、調子が上がらずムキになっている小笠原を見かねた森コーチが止めに入ったように見えた。

 第3クール初日の9日にブルペンで初めて捕手を座らせて投球。「6~7割の力」の投球で146キロを叩き出し「モノが違う」と周囲を改めて感嘆させた。しかし、中1日の投球となった11日のブルペンではボールがまるで走らず。最速は140キロにも到達しなかった。そして、この日も良くなる兆しもないまま終了。

 不振の原因は当初、疲れと見られていたが、実は別にあった。それはフォームの乱れ。「(高校時代でも)こんなに崩れたことはなかった」と本人が嘆くほどバラバラになってしまっているという。高校のときに左ヒジを痛めたのがきっかけ。「ヒジを痛めて投げる回数が減ってブランクがあった。投げ始めたのは最近で昔のフォームを見失っている。ゼロからのスタートで自分の中で迷っている」と苦しい胸の内を明かした。

 予想もしなかった左ヒジ痛の余波。完全復活までに時間がかかるかもしれない。