巨人の“新ドラフト戦略”は成功するのか

2016年02月13日 16時00分

ギャレット(下)から三振を奪う桜井

 巨人のルーキーコンビが上々の実戦デビューだ。宮崎キャンプ第3クール2日目の12日に行われた紅白戦初戦で、先発のドラフト1位ルーキー桜井俊貴投手(22=立命大)が2回無安打無失点、同2位の重信慎之介外野手(22=早大)が4打数3安打と大暴れした。周囲の評価は上昇中で、高橋由伸監督(40)からも絶賛された2人の今後には、実は球団の“新ドラフト戦略”の成否がかかっている。

 

 投打のルーキーがプロ初の実戦で持ち味を発揮した。先発に抜てきされたドラ1の桜井は、多彩な変化球で2回を無安打無失点。ギャレットと北からは自慢のチェンジアップで三振を奪うなど、仕上がりの早さを見せつけ、由伸監督を「まとまっていて良かった。落ち着いてコントロールできていたし、次に投げるのが楽しみ」とうならせた。

 

 一方の重信は、初回にマシソンから一塁強襲安打、7回には中前打を放つと、続く亀井の右中間二塁打で一塁から快足を飛ばして生還。由伸監督はこちらも「(打撃は)粘り強かったし、一塁からかえってくる足も抜群に良かった。使いたくなる感じ」と高評価だった。

 

 ネット裏のスコアラーの間でも、2人の評価は上がっている。桜井について阪神・太田スコアラーは「真っすぐがいい。素晴らしい」と話し、中日・加藤スコアラーは重信について「体は小さいが、意外とパンチ力がある。青木(マリナーズ)にそっくりですね。評価を改めないと」と警戒感を強めていた。

 

 まずは上々のスタートを切った新人コンビだが、実は2人にはある共通項がある。それは、2人とも最近のプロ野球選手にしては身長が高くないという点だ。公称データでは桜井は181センチ、重信は173センチ。スカウトによれば、これも球団の新戦略なのだという。

 

「これはウチの投手に関してですが、過去数年の指名選手を振り返ると、高身長の日本人投手はほとんど大成していないんです。190センチ以上に限ると賭博問題で退団した松本竜(193センチ)と笠原(191センチ)がそう。身長が高いだけじゃダメだなと。だから昨年に関しては、デカい投手は最初から指名構想には入っていなかったんです」

 

 強打者候補がほかにいるなかで、あえて小さい重信の上位指名に踏み切った際も「身長はまったく判断材料になりませんでした。体が大きくても、泰示(大田)のように伸び悩む場合もある。足だけじゃなく、打撃でも即戦力になると判断して獲りました」という。

 

 ただ、球界を見渡せば、阪神・藤浪(198センチ)、日本ハム・大谷(193センチ)ら高身長でも大活躍している投手はいる。逆に「現在は高身長投手こそが球界のトレンド。メジャーでも低身長の日本人投手は評価が高くない」と言い切る他球団関係者もいるほどだ。

 

 ある意味では、巨人が最近のトレンドに逆らっているとも言えるのだが、これで桜井&重信コンビが活躍すれば潮流は変わるかもしれない。「ストライク先行で良かった。ワクワクして投げました」(桜井)、「これで満足したわけじゃないが、自分の持ち味が出せてホッとしている」(重信)と揃って、はにかんだ笑顔を見せた期待のルーキーズ。シーズンでも大暴れする姿が見られるか。

関連タグ: