阪神・掛布二軍監督が11日、初采配となる韓国ハンファとの練習試合(安芸)に6―0と快勝。虎の二軍キャンプ中の実戦試合では過去最多2800人のファンを大喜びさせた。

 朝の全体ミーティングで「失敗していい! 失敗は成功の母なんだ」とナインにゲキを飛ばして臨んだ試合。指揮官イチ押しのドラフト6位・板山祐太郎外野手(21=亜大)も4打数3安打1打点と大暴れし「勝つということはうれしい。今日はわれわれも手探り。選手にはノーサインでやらせた。5点以下なら今岡(打撃コーチ)に罰走さそうかと言ったぐらい」と笑みを浮かべた。

 このキャンプでは掛布二軍も金本一軍同様、スローガンの「超変革」に着手。「難しい年代に刺激を与えたい」と、これまで二軍になかった投手キャプテンに10年目左腕の小嶋、野手キャプテンに13年目の坂を指名し、チームに活気を取り戻した。

 また「無理に“監督”と呼ばんでもいいぞ。“掛布さん”でいい」と、現役時代に1985年日本一の原動力になるなど数々の栄冠を手にした指揮官なのに首脳陣、スタッフから若い選手にまで“さん付けOK”を通達。ドラフト1位・高山俊外野手(22=明大)が「“掛布さん”の教え方は分かりやすい」と連日話すなど、チーム内には「掛布さん」と呼ぶ声が多い。「その方が選手が親しみやすいと思っているのでしょう。それもまた監督らしい」と球団関係者は話した。

「選手の交代時とか、ベンチでは解説者の時には感じられない難しさがある。これから1年、アンテナの本数を増やしていかないと」と初陣の感想を口にした掛布二軍監督。今後の手腕にも注目だ。