阪神・横田は“柳田級” 納得のスケールの大きさ

2016年02月11日 10時00分

横田のフリー打撃を見る得津氏(右)

【得津高宏「快打一閃」】阪神の宜野座キャンプを訪れた。気になっていたのは3年目の横田慎太郎(外野手=20)。横田の父・真之は元ロッテの外野手で、私がスカウトした選手でもある。その息子がどんな選手に育っているのか、この目で確かめたかったからだ。

 

 親父は体格こそ小柄だったが、足はあるし天性のミート力はほれぼれするものがあった。しかも向こうっ気が強く、チャンスにめっぽう強いプロ向きの性格。まじめで練習熱心なところも気に入った。当初は熊谷組へ内定していたが、交渉の末にプロOKということになり、大喜びで指名したことをよく覚えている。1年目からロッテ強力打線の2番に定着すると、あれよあれよという間に打率3割をマーク。2年目も3割を打ち、当時新人で2年連続で3割を打ったのは、長嶋茂雄さん以来2人目の快挙とあって、私も鼻が高かったものだ。

 

 だが、息子はそんな親父とは似ても似つかない体格で、親父に電話で「お前と違ってずいぶんデカいなあ」と言うと「体格は僕に全然似てないですね。母方の血が出たんでしょう」と笑っていた。 それでも親父譲りの打撃センスに、さらにパワーが加わればどうなるか。しかも足も速く肩も強い。親父をはるかに超える選手になる可能性を感じた。

 

 もちろんまだ課題も多い。打ちにいくときに右の腰が開くのが早く、手が出てこないからどうしても差し込まれ気味になってしまう。下半身が硬いのも気になったが、まじめで素直な性格は親父とよく似ていた。努力を重ねることのできる選手は間違いなくプロで伸びる。「得津さん、こいつ会話できないっすよ」なんて西岡にいじられて、もじもじしている姿を見ると、先輩にもかわいがられているみたいだ。

 

 今年は一軍にどうにか食らいつき、チャンスを待ちながら経験を積む。一番大事なのは三振を恐れず、とにかく「振る」ことだ。広角に打とうとか、率を残そうとか考える必要はない。プロのスピードに慣れさえすれば、率なんて後から自然についてくるというものだ。

 

 タイプとしては「横田2世」というよりは、ソフトバンクの柳田か。周囲が「トラの柳田」と期待するのも納得の、スケールの大きさはやはり魅力的だ。3年後には日本球界を代表する選手になっているのではないかと思う。 (本紙評論家)