鮮烈デビューだ。楽天のドラフト1位ルーキー・オコエ瑠偉外野手(18=関東第一)が7日、今キャンプ初の紅白戦に「2番・中堅」でスタメン出場し、7回の第4打席で2点適時三塁打を放った。第1打席は3球三振に倒れ、2打席目は一邪飛、6回の先頭打者だった3打席目は中飛。試合は7回制で、待望の“プロ初安打”が飛び出したのは最終打席だった。

 第3打席までは直球に差し込まれがちで、特に安楽との対戦となった1打席目は「緊張しすぎて打席入ってから自分のスイングをまったく忘れてしまって。あっという間に終わってしまった」と手も足も出なかった。それでも諦めず「やっぱりアピールしたいので、どんな形でも回ってきてほしかった」との祈りが通じる形で、7回無死一、二塁の絶好のチャンスが巡ってきた。梨田監督は「(打席が)回って来るのも“持っている”し、そこで打てる」と大絶賛だ。

 三塁打が飛び出したのはタイミングを早めにしたことが功を奏した格好だが、決して“まぐれ”ではない。今キャンプでは野球に取り組む姿勢でも変化を見せている。

 1月に行われた12球団合同の新人研修会では、元ニッポン放送アナウンサーの深沢弘氏が披露した「長嶋さんは現役のとき、試合後15分でスイングしていた。『俺ほどバットを振った人間はいない』と。王さん、落合、張本も口を揃えて同じように言う」との逸話に、オコエは「正直時代が違うなと感じた。今は試合後15分間はケアやクールダウンに当てる時間。それが最先端というか、野球も進化してるので」と持論を展開していた。ところが今キャンプでプロの壁にぶち当たり「人がどうとかは関係ないが、今の自分はとにかく振るだけ」と“改心”。最近では夜に500回の素振りをこなすなど、意識改革を行っている。

「全体的に見たらあまり良くないので、今後もっとバットを振りたい」。いよいよオコエが覚醒し始めた。