捕手復帰決意の阿部に“裏バッテリーコーチ”就任待望論

2016年01月30日 16時00分

菅野(左)と話す阿部

 巨人・阿部慎之助内野手(36)に“裏バッテリーコーチ就任待望論”が噴出だ。今季は捕手復帰を目指しているとあって、29日の宮崎合同自主トレでは今年初めて捕手としてブルペン入り。これにチーム内から「プレーだけでなく、バッテリー全体と裏方の育成にもひと役買ってほしい」の声が続出している。

 

 室内練習場「木の花ドーム」が騒然となった。ルーキー・桜井とキャッチボールをした後に、ブルペンへ移動し、立った状態で投手陣の球を受け始めたからだ。

 

 山口には「ナイスボール!」と声をかけつつ、さっそく下半身で投げるように指摘。宮国にはシュートの握りを確認させ「指1本分広げてみて。狙いはここ」とミットを構え、駆け寄ってきた2年目左腕・戸根には座り込んでアドバイス――気がつけばブルペン周辺を主力ナインが見守っていた。練習後、阿部は「暇だったから」とけむに巻いたが「キャリアのあるベテランの方なので、信頼して投げられる」(山口)、「ピッチャーにとってすごく投げやすい。捕ってもらえてうれしかった。シーズンでチャンスがあったら受けていただきたいです」(宮国)と、改めて心酔した様子。その存在感を見せつけたが、これも捕手復帰への決意の表れだろう。

 

 そもそも高橋由伸監督(40)が捕手復帰を示唆した背景にあるのは阿部本人が捨てきれずにいる捕手へのこだわりや未練だけではない。首脳陣、投手陣に与える絶対的な安心感、存在感によるところも大きい。

 

 正捕手の一本化は由伸ジャイアンツの大きな課題の一つ。いつまでも阿部に依存していられないことは首脳陣も重々承知しているが悲しいかな、完全に断ち切れない現状もある。そんななか、チーム内で期待されているのが“裏バッテリーコーチ”としての貢献だという。「リード面に関してはバッテリーコーチがいる。(阿部)慎之助にやってほしいのは、若手捕手だけでなく、ブルペン捕手も含めた教育と指導なんだよ」(チームスタッフ)

 

 一体どういうことなのか。「各投手の好不調時のフォームの違いをインプットして、かつそれを試合前のブルペンや試合中にハッキリ本人に教えられること。今、そういう意思疎通ができていない。これでは信頼関係も生まれてこない」

 

 阿部はこれまで試合直前のブルペンや試合中、投球フォームの違いに素早く気づき、本人にアドバイスすることで大崩れを未然に防いできた。しかし今、阿部以外でそこまで言える捕手は、ブルペン捕手を含めてほとんどいないのが現状だ。「仮に助言しても『試合で投げながら修正していくから』と言い返されて、結果的に修正しきれず打ち込まれた試合もあった。この点に関しては、慎之助本人も気にしていたことだった」(別の関係者)

 

 バッテリーを組む投手を見る目を養うことも、信頼関係を築くうえで重要だ。阿部にはその経験や技術を改めて伝えてほしいというのだが…。今年で37歳になる背番号10にのしかかる責任は今年も重くなりそうだ。