オリックスの宮崎キャンプにOBの福本豊氏(68)が臨時コーチとして参加することで、チーム内から「トーク力を学べ」との声が出ている。

 福本氏といえば通算1065盗塁の“世界の盗塁王”。ナインは「盗塁の極意を学びたい。どんな考え、意識でやっていたのか、どんどん聞いて引き出しを増やしたい」と今から指導を楽しみにしているが、吸収するのはそればかりではないという。チーム関係者は「あのトーク力はすごい。長い間テレビ解説をやられていて、表現力が豊かで面白い。話が元気でイケイケですからね。勝負事はイケイケでいかないと勝てない。これはウチの選手に足りないところでもあるから学んでほしい」というのだ。

 福本氏の阪神戦などのユニーク解説は関西では有名。スコアボードに0が並ぶと「たこ焼きみたいでんな」。最終回に1点入ると「最後につまようじがついたな」。擬音も多く「トゥルッと滑るんですよ」「足がピヨッと出ましたね」「こつこつ打って、いやホンマ、あれでキャーンですからね」「ビャッと来た球をビャッと打ってビャッと走ったらええんですわ」…。国民栄誉賞を辞退した際も「そんなんもろたら立ちションもできなくなるわ」と“福本節”を炸裂させている。

 それだけに「福本さんと会話することで、そのトーク力を肌で感じてもらいたい」(チーム関係者)というわけ。福本氏は16日からの第4クールに合流して指導に当たるが、ナインが“福さんトーク”をマスターできれば、チームのムードも明るくなるのは間違いないだろう。