今年の野球殿堂入りが18日、東京都内の野球殿堂博物館で発表され、プレーヤー表彰ではソフトバンク・工藤公康監督(52)、巨人・斎藤雅樹二軍監督(50)が選ばれた。工藤監督は候補1年目での殿堂入りで、スタルヒン(1960年)、王貞治(94年)、野茂英雄(14年)に次ぐ4人目の快挙だ。

 監督就任1年目でソフトバンクを日本一に導いた工藤監督が、またまた快挙を成し遂げた。候補1年目での殿堂入りは史上4人目。「正直、ボクでいいのかなと。責任の重さはこれから実感すると思う」と驚きを隠せなかった。

 有効投票数の76・6%となる258票を集めた。西武時代の先輩で恩師でもある東尾修氏(10年に殿堂入り)は「お互い“お前に負けるか”とエキスをもらった。秋山(幸二)くんも14年に入ったし、黄金時代の選手が殿堂入りしている。伊東(勤)くん(現ロッテ監督)、石毛(宏典)くんも(今後)選ばれると思うし、うれしい。みんな巨人を破ったという自負がある」と祝辞を述べた。

 工藤監督によれば、東尾氏から「いつまでも真っすぐとカーブだけで勝てると思うなよ」と言われ、その翌年から勝てなくなったという。また、不調の時に「体の力がないんだ」と言われ「球速は自分の方が速い」と反論すると「そういう問題じゃない」と怒鳴られた。「一から考えるようになって、また勝てるようになった。野球の言葉をかけてもらえるのが楽しみで一緒にいた」と工藤監督。東尾氏に追いつこうと努力する中で勝ち星を重ね、西武黄金時代を築いた。

 現役を29年間続け、通算224勝をマークしたレジェンド左腕は「監督という職業をしているので、V3という目標がある。チームから殿堂入りするような選手が出てきてほしい。また、子供たちが野球をやることが今後の野球界につながると思うので、野球教室もやっていきたい」と、殿堂入りを機に思いを新たにした。