【楊枝秀基のワッショイ!スポーツ見聞録】阪神の歳内宏明投手(22)と江越大賀外野手(22)が17日、神戸市長田区の西神戸センター街で行われた「震災から21年、第12回神戸フリーライブ『ONE HEART』」にゲスト出演。阪神・淡路大震災を経験した地元住民を中心に集った約1000人のファンに激励メッセージを送った。そんな若虎2人をフリーライターの楊枝秀基氏が直撃。歳内は虎のセットアッパーとして“藤川2世”、江越は虎の長距離砲として“金本2世”になることを誓った。

 ――歳内投手は神戸、東北の震災の両方を経験。

 歳内:神戸の時は1歳で記憶にないが、近所で助け合った当時の話を聞いている。福島では高校(聖光学院)2年から3年に上がる時で春の大会もできなかった。夏は皆さんも大変な時だったのに、甲子園出場にあたって例年以上の寄付を募っていただいた。尼崎出身だが、福島代表という気持ちを込めてプレーした。

 ――江越選手は長崎出身だが、被災者への思いはどうか

 江越:長崎でも雲仙の土石流のあとを見て、自然災害の怖さを知っている。神戸の震災は何度も映像などで見て覚えている。選手としては活躍して、被災された野球ファンの皆さんが喜んでくれる姿を見られれば自分もうれしい。

 ――チームは金本新監督を迎え「超変革」のスローガンの下、若手の台頭が期待される

 江越:金本監督には就任会見で名前を挙げてもらった。それを聞いた時はチャンスをつかむんだという気持ちになった。秋季キャンプでも付きっ切りで指導していただき、期待していただいていることを強く感じた。

 歳内:金本監督と話をして中継ぎ一本で行くと言われた。ここ数年、安藤さん、福原さんに割って入る若手がいなかったので、まずはそこに割って入りたい。

 ――近年の阪神の4番といえば金本、セットアッパーは藤川球児の印象が強い

 江越:結果でしか示せないので。去年は4度の二軍落ちを経験しました。今年はそうならないようレギュラーを目指したい。出場試合数も56試合から、倍にはしないと。金本監督の期待に応えられるよう、取り組み方から変えていく。

 歳内:もう5年目なので一軍に定着しないといけない年齢。期待を込めてではなく、首脳陣もファンも安心して送り出される存在になりたい。「ここは歳内だ」と誰もが思うような、チームの勝ちパターンに入る投手になりたい。

 ――チームの中心になる上での展望は

 江越:2月1日(のキャンプイン)には身体的にも技術的にも、すぐに実戦できる状態に近づけておきたい。

 歳内:年間通じてケガせず投げられる上に、5~6連投ということがあっても好不調の波も少ない投手になっていきたい。

 ☆ようじ・ひでき 1973年8月6日生まれ。神戸市出身。関西学院大卒。98年から「デイリースポーツ」でプロ野球担当記者として活躍。2013年10月に独立し、14年11月にはフォレスト出版から「阪神タイガースのすべらない話」を発売。神戸・三宮のスポーツバー&ダイニング「42」のオーナーでもある。