新年を迎えても、今なお“鉄人”金本知憲監督(47)フィーバーで沸く阪神。この状況に川藤幸三OB会長(66)が反応した。半月後に控える春季キャンプを前に「これからは監督の話題ばかりではアカン!」と、インパクト不足の若手ナインに特大ゲキを飛ばしたのだ。

 キャンプインを前にした1月は各選手とも自主トレに精を出しているが、阪神の話題の中心は、やはり金本監督。この状況に危機感を覚えたのが川藤会長だった。

 13日、大阪市内のホテルで行われた「甲子園歴史館運営会議理事会・定例報告会」に出席した川藤会長は「選手が、いかに前面に出していけるかやな。『いつまで監督の話題してんねん! ワシのほう向かんかい!』という選手が出てこないといけない。いつまでも監督ばかりの話題ではアカンのや!」と若手ナインに活を入れた。

 春季キャンプまで半月に迫った現在、話題性を含めて金本監督に取って代わるほどの熱い意気込みをアピールする選手は皆無。無名選手から持ち前のハングリー精神で這い上がった川藤会長にしてみれば、かなり物足りなく映っているのだろう。

「今の子は賢いのか、そういうのを口や態度に出さない。怖がってどうするんや。どこの会社の社長でもスイスイといっている人はいない。どこかで踏まれて、蹴られて、這い上がってきている。それはプロ野球選手でも一緒なんや」と苦言を呈した。

 要は目立ってナンボ、アピールしてナンボの世界なのに、そうしないのはどういうわけかということ。金本監督も就任当初に「監督が一番目立っていてはダメ。キャンプやシーズンを通して『誰が監督だっけ?』とならないといけない。毎日、選手がいろんな話題を振りまいて、新聞の1面を飾ってくれないといけない」と力説しただけに、なおさら川藤会長の我慢は限界だった。

 川藤発言には球団内も拍手喝采だ。「本当にその通り。このまま監督だけしか目立たないとなると、中畑DeNAみたいになってしまう。OB会長がそう言ってくれているのはありがたいし、我々も少しでも、そういった選手を出していきたい」(フロント関係者)

 昨季まで4年間、DeNAを率いた中畑前監督は就任直後から、ひょうきんなキャラクターを生かし、常に話題を振りまいた。しかし、ナインの話題は少なく、チームも停滞。4年連続Bクラスで中畑政権はピリオドを迎えた。そんな“悲劇”を金本政権で起こすわけにはいかない。

 1月半ばに、あえて飛び出した川藤会長の特大ゲキ。若虎たちは、どう応えるか――。