広島の新入団7選手が9日、広島・廿日市市内の大野寮に入寮した。ドラフト1位右腕・岡田明丈(22=大商大)はチームの大黒柱で、憧れの存在だという黒田博樹投手(40)の著書を持参。まずはキャンプでの初対面を前に“傾向と対策”を叩き込む狙いのようだ。

 他の新人が人気アーティストのDVDなど、リラックス用の私物を持ち込む中、岡田が手にしていたのは黒田の著書「クオリティピッチング」だった。即戦力の期待が高い本格派右腕は、これまでにも現阪神の藤川球児やレンジャーズ・ダルビッシュ有らの投球フォームを本で研究してきた。なかでも黒田の著書はほとんど読破しているそうで、この日持ち込んだのも「今まだ読みきれてないから」だという。

 もちろん成功するヒントを得るのが最大の理由だが、もう1つ違うワケもある。黒田は宮崎・日南での1次キャンプ終盤に合流予定で、岡田には聞きたいことが山ほどある。しかし「(著書に書いてあることと)同じことを聞いたら失礼になるので」と“粗相”をしないためにバッチリと予習をしておきたいというわけだ。

 部屋にはもう1冊、テニスのノバク・ジョコビッチ著の「ジョコビッチの生まれ変わる食事」を持参した。食事の面でも管理の行き届いた寮生活には関係ない気がしなくもないが、岡田は「ヒントがあれば活用しようぐらいの気持ち。これからは技術系の本だけでなくメンタルの本も読んでいきたい」と、どこまでも貪欲だ。