阪神の新人合同自主トレが8日、西宮市の鳴尾浜球場でスタートした。金本知憲監督(47)ら首脳陣も勢揃いで視察したが、初日採点は「可もなく不可もなく」というビミョーなもの。いきなりの“大アピール”とはならなかったドラフト1位・高山俊外野手(22=明大)らルーキー6選手。ここから巻き返せるか――。

 新人合同自主トレ初日のこの日、鳴尾浜球場のスタンドには多くの虎党が詰めかけた。練習前には金本監督が6人のルーキーに「プロに入ったら横一線。(ドラフト)順位は関係ない。ヨーイ、ドンの競争だから思い切って競争してください。どうしても無理をするので、ケガにだけは注意して」と訓示。練習メニューはランニングやキャッチボールなど軽めだったが、グラウンドにも虎首脳陣が集結し、ドラフト1位の高山ら「未来の主力」の一挙手一投足に熱視線を送った。

 しかし、視察後の金本監督は印象に残った選手を問われると「まだ、ランニングとかアップしか見てない。特には何もありません。目についた選手? まだ、目についていません」とコメント。ルーキーたちは、いきなり指揮官に大きなインパクトは残せなかったようで、あるコーチも「飛び抜けた選手は正直、いなかったね。藤浪の初日みたいな…。いや、藤浪と比べたらかわいそうなんだけどね。あそこまでものすごく飛び抜けたフィジカルや体力、能力を持った選手は、さすがに今日の時点では目につかなかったね」と評した。

 別のコーチは「飛び抜けたやつはいないけど、逆に“これはひどいな”というのもいない。例年、1人くらいはいるんだよ。歩き方やキャッチボールから矯正しないといけないような選手とか、明らかに体力的にきつそうな選手とかがね。でも今年の6人はちゃんと準備もしてきているし、そういうひどいのはいなかった」と前向きにとらえたが、現段階では「可もなく不可もなく」という何ともビミョーな感じ。「今日の収穫? うーん、みんな声が出ていたことかな」と話すコーチもいたほどだ。

 開幕一軍、レギュラー奪取をもくろむルーキーたちにとっては厳しい“船出”となった格好だが、もちろん、挽回のチャンスはまだまだ山ほどある。今後の巻き返しで金本監督らの目に留まりたいところだ。