早実の練習場「王貞治記念グラウンド」の改修竣工式が7日、東京・八王子市内の同グラウンドで行われ、早実OBの王貞治ソフトバンク球団会長(75)らが出席した。今回、外野を全面人工芝としたことで、冬場の凍結や埃被害の改善、グラウンド整備の時間短縮などが見込まれる。

 新グラウンドの印象を聞かれた王会長は「色が鮮やかですね。最初のグラウンドができたときのことを覚えてますが、本当にすばらしい、いいグラウンドになって、選手たちも今まで以上に張り切ってくれるんじゃないか。甲子園出場に向かって気持ちをひとつに頑張ってもらいたい」と後輩ナインにエールを送った。

 また、自身の後継者ともいわれる怪物・清宮幸太郎内野手については「さっき初めて会いましたけど、大きいですね。僕とでは大人と子供みたいな感じ」とおどけた後「彼のプレーはテレビ越しにしか見てないが、非常に柔らかい印象がある。バッターは受け身でしょ。ピッチャーがいろいろ投げてきた球を打たなきゃいけないんで、一番重要なのは柔軟性。天性のものを持っているので、プレッシャーをかけるつもりはないが、大いに期待したい」と語った。

 約2か月の工期を終え生まれ変わったグラウンドだが、その裏には甲子園サイドの思惑もあるという。

 今回、グラウンドの改修に携わったのは、甲子園球場の整備でも知られる阪神園芸。マウンドの一部には甲子園のものと同じ「阪神園芸・グラウンドキーパーの土」が使われている。阪神園芸東京支店の若狭敏幸支店長(48)は「本当に部分的に、正直こちらの宣伝という意味もある。でも、選手には喜ばれるかなと思います。まあ甲子園ぐらいじゃ、もっと上を目指してる子もいると思いますが(笑い)」と甲子園敗退時に土を持ち帰らなかった清宮をチクリ。「阪神園芸としては東京支店を立ち上げてまだ日が浅い。早実さんということは関係なく、今回初めて関東での実績ができたのは大きなこと。これからの営業展開につなげていければ」と本心を明かした。

 王会長、そして甲子園からもエールをもらった清宮。新グラウンドで成長を遂げ、再びかの地に立つことができるか。