巨人ナインは穏やかな春を迎えられるのか。高橋由伸監督(40)が5日、東京都内の球団事務所を訪れ、全職員の前で覇権奪回を誓った。一方、投打の主力陣は続々と自主トレ先へ飛び立った。昨年はV逸に加えて野球賭博騒動のショックで綱紀粛正の嵐が吹き荒れたが、年が明けて心機一転、球団は春季キャンプでの“規制緩和”を検討している。だがそれも、ある条件付きという――。

 球団の仕事始めに事務所を訪れた由伸監督は、職員たちを前に「チームの目標はリーグ優勝、日本一奪還です。とにかく勝ちにこだわって戦います。そしてファンに愛されるチームを作っていきたいと思います」と力強く宣言。久保球団社長も「ジャイアンツブランドの再創造にも一層、スピードを上げて取り組む」と語り、盟主の威信回復への意欲を示した。

 この日は由伸巨人の核となる選手たちも新シーズンへ向け動きだした。成田空港からは坂本、長野らがグアムへ。相川、小林らはサイパン、羽田空港からは内海、山口らの投手グループが沖縄へと出発した。

 グアム組を率いる主将の坂本は「走ること、トレーニングをしっかりやりたい」。沖縄組リーダーの内海も「(昨年まで自主トレを行っていた)グアムよりランニングの本数は増やせると思う」と復活を目指して体をいじめ抜く決意を示した。

 そんな張り切るナインに対して、昨年厳しい措置を連発した球団も“温情”を見せている。10月に発覚した野球賭博騒動の影響で、その後の秋季キャンプでは門限の前倒しや様々な娯楽が禁止となり、選手たちは息苦しい生活を強いられた。だが、キャンプインまで1か月を切り、球団内では球団ルールの“規制緩和”を検討。「休日前のゴルフ、パチンコ、常識の範囲内での“クラブ活動”ぐらいは解除してもいいんじゃないか、という話も出ている」(球団幹部)という。

 ただし、それには条件が付く。「自主トレ中の行動が重要になるだろうな。カネ、オンナがらみのスキャンダルはもってのほかだけど、坂本たちが台湾で撮られたようなことが、もう一度あったらアウト。逆にもっと規制が厳しくなるかもしれないよ」という。

 この日、南国の自主トレ先へ出発した主力の一人は「そのへんは大丈夫。今年はおとなしく過ごすつもりですよ」と語ったが…。開放的な気分ではしゃぎすぎると、その後に待っているのは地獄の宮崎。やんちゃなGナインは、果たして笑顔で2月のキャンプを迎えられるか。