原前監督が「ドン辰徳」と呼ばれる日

2016年01月06日 10時00分

評論家としての原氏の言動には注目が集まる

【赤坂英一「赤ペン!」】巨人前監督・原辰徳氏がマスコミ各社から引っ張りダコだそうである。今年は後任の高橋監督に加え、阪神に金本、DeNAにラミレスと、原前監督がよく知る大物たちもライバル球団の監督に就任。由伸巨人との試合を解説してもらうのに原さんほどの適任はいないというわけで、昨年退任した直後からオファーが殺到しているという。

 原さんは退任会見で、今後はどのメディアとも専属契約を結ばず、しばらくフリーでやっていくと宣言した。これが現在のモテモテぶりにつながっている。最近は大手のテレビ局も億単位の契約金を払える資金的余裕はなく、たとえそこそこの額で専属になったとしても、他社への出演にいろいろなシバリ(制約)を受ける。監督退任翌年の今季は原さんにとっても一番の売り時だし、自由なほうが露出も増える、注目度も高まる、恐らくは実入りもいいだろう。

 当然のことながら、私も含めた多くのファンは原さんの采配論を聞いてみたいはずだ。新体制となった巨人、阪神、DeNAの戦いをどのように斬ってみせるのか、とりあえず最初のうちは興味がある。原さんもそれを意識してか、昨年の高橋監督との対談で、「自分が監督をやっていたら、慎之助には一塁ではなく捕手をやるように言う」などと発言。監督経験ではおれが一番だと、暗に自分のセールスポイントをアピールしていた。

 これからは巨人OB会でも、原さんの発言力、影響力が増大していくに違いない。ドンと異名を取った川上哲治さん、原さんの師・藤田元司さんが他界し、長嶋茂雄さんはご高齢で、王貞治さんはソフトバンク球団会長という立場もある。監督としての実績からいっても、いずれ原さんがOB会の重鎮になることは目に見えている。「若大将のタッちゃん」ではなく「ドン辰徳」と呼ばれるようになる日も近い。

 しかし、だから原さんの言動が今後もファンの支持を集められるか、となると話は別だ。特に解説については、あまりに滑ったりすると、逆に嘲笑やひんしゅくを買いかねない。野村克也さんも指摘しているように、原さんは監督時代から、簡単なことを難しく大仰に表現しようとするあまり、かえってコメントが意味不明になってしまうことがあった。このへんは原さん本人、および周囲のブレーンに細心の注意を払っていただきたい。