オリックスのダンス・ボーカルユニット「BsGirls」が2016年のスタートから大勝負に出る。1月10日に初の大会場となる大阪・オリックス劇場でのワンマンライブが決定。しかも同日の公演前に同じステージで6球団のダンスチームが集う「パ・リーグ ダンスフェスティバル」が行われることで、メンバーらは気合十分だ。レッスンに励むリーダーのSAYU、REIKA、MEIの3人が意気込みを語った。

 BsGirlsは、球団とエイベックス・プランニング&デベロップメントが共同で行ったオーディションを経て2014年に結成。球界初の本格的なボーカル・ダンスユニットとして京セラドームのオリックス戦でのパフォーマンス、グランフロント大阪・ナレッジシアターなどでライブ活動を続けてきた。そのクオリティーの高さから急激にファンを増やし、昨年にCDデビューを果たし、今年は1stアルバムが発売された。

 そして結成3年目に突入する来年、年明けから大勝負に打って出る。これまでのキャパシティー380人のナレッジシアターから一気に2400人のオリックス劇場に進出。タイトルは彼女たちの思いを表すかのような「WE ARE ALWAYS WITH BsGirls LIVE 2016 ~挑戦~」(18時開演)だ。

 昨年からリーダーを務めるSAYUは「とても広い会場で、すごく楽しみ。楽しい時間にしたいし、盛り上がることでバファローズの応援につなげていきたい。いつもと違うBsGirlsが見せられると思います」と気合を入れ、REIKAも「最初はビックリして大丈夫かなと思った。初めての挑戦で不安もあるし、未知の世界。でも、今までと違った演出もできるし、みなさんに楽しんでもらえるパフォーマンスをしたい。クオリティーをもっと上げないといけない。気を引き締めて頑張りたい」と目を輝かせる。

 曲の構成やステージ演出に工夫がこらされ、さらに2400人に届ける大きなパフォーマンスが必要となる。不安もつきまとうが、メンバー18人はレッスンとミーティングを重ね、気持ちを一つにして目標に向かう。MEIも「この2年間で一番の会場。最初は驚きましたけど、うれしかった。全力でやりたい」と気持ちは同じだ。

 しかも、当日の公演前にはパ・リーグ6球団のチアダンスチームが集うイベント(14時開演)も行われる。“ライバル”たちが集結する中、地元・大阪の代表として存在感とレベルの違いを見せなければいけない。「遠征なんかで他球団のダンスを見る機会もあるんですけど、刺激をもらえます。楽しみでもあるんだけど、負けていられない。いい部分は吸収させてもらって、他球団のファンの方にもすごい、と言ってもらえればうれしい」(SAYU)

 MEIも「他のチアはユーチューブで見ています。私たちはポンポンは持ちませんし、私ならこうする、とか思って見たり…。自信はあります! ハニーズさん(ソフトバンク)なんかは雰囲気がフワッとしていて私にはないものがありますね。ダンスのレベルも高い」と意識せずにはいられない。REIKAも「球団を超えて応援してくださるファンを増やそう、という気持ちでやりたい」と“挑戦”の姿勢だ。

 担当の球団企画事業部の緒方貴弘企画グループ長は今回の“ジャンプアップ”の理由をこう話す。「2400人は彼女たちにとっては背伸びどころか、大きい。ライブタイトル通りの挑戦を掲げ、目標を作った形です」。ナレッジシアターのチケットは即完売となり、彼女たちのグッズもオリックスの人気選手並みの売れ行きを示している。加えてファンからの「もっと大きな会場で」「もっと演出にお金をかけてあげて」とのニーズが強まったことも進出の大きな理由となった。

 当初のビジョンよりも急ピッチで成長を遂げていくBsGirls。「彼女たちの頑張りとファンの支援で(予定が)前倒しになっています。去年の立ち上げの時には“3年後くらいにオリックス劇場で2アーティストくらいでできればいいね”と一つの通過点的なゴールとして考えていた。それが2年でできているのは大きい。同劇場は徳永英明さん、きゃりーぱみゅぱみゅさん、GLAYさんが出演するような場所。同じステージに立つということは、それ以上のパフォーマンス、マジで驚くようなものを提供したいと考えています」(同)

 さらに緒方グループ長は同日のパ・リーグイベントについても「そちらのステージではダンスの楽しさを伝えるようなお祭り的なものができればいい。単独公演の方はかっこよく、研ぎ澄まされたものを提供したい。彼女たちは“球団チア”とか、そういう域はかなり前から越えていますよ」と自信をみなぎらせる。BsGirlsの実力ならパ・リーグイベントは本公演の“前座”にできるはずだ。

 2016年はオリックス劇場進出をきっかけに関西ライブツアー、さらにメンバーを数人のグループに分けての活動もプランとして浮上している。「もっともっと大きなステージに行きたい。紅白歌合戦とか!」(SAYU)、「私たちが頑張ることでオリックスを応援するファンの仲間が増えればいい。その要因の一つでありたい」(REIKA)、「2016年は挑戦し続けたい」(MEI)。

 飛ぶ鳥を落とす勢いで“快進撃”を続けるBsGirls。今季のオリックスはまさかの5位低迷となったが、彼女たちの輝きがチームを再び上位に導くに違いない。

 ☆ビーズ・ガールズ オリックスのダンスチーム「BsDreams」を前身として2014年に結成。4月4日の京セラドームの西武戦でグラウンド“デビュー”した。デビューシングル「Diamond」発売。今年はシングル「LEVEL」、1stアルバム「BsGirls THE BEST」が発売された。現在のメンバーは18人。