育成選手から這い上がったDeNAの“シンデレラ左腕”砂田毅樹投手(20)が、来季の飛躍に向けて賭けに出る。

 新人最多の37セーブで新人王に輝いた山崎康と左腕・石田の来季2年目コンビは、投手コーチ兼任の三浦大輔投手(41)の元で1月に自主トレを行う。これに対して砂田は「自分は一人でやります」と、横須賀にある球団の二軍施設での自主トレを選択。「ベテランの方についていくのもいいけど、自分で考えないといけない。自分がやるべき課題は分かっているので」と、あえて一本立ちを選んだ。

 三浦は「来たい人間が来ればいい」と、自分から誘うことはしない。もちろん、来なかったからといって関係が悪くなることもない。恒例の自主トレでの練習も、あくまで自分のペースを守り、1年間を戦い抜くための体づくりをする。一方で、チーム関係者から「これから体をつくる若手とは当然、メニューも違うし、合わないことも多い」との指摘があるのも事実だ。

 実は、DeNAになってからのここ4年間で“三浦塾”入りした若手の成績は伸び悩んでいる。2012年は国吉(4勝12敗)、小林寛(一軍登板なし)。13年は加賀美(1勝4敗)、国吉(2勝1敗)、小林寛(2勝1敗)。14年は三嶋(1勝2敗)、小林寛(一軍登板なし)。15年の三嶋(5勝5敗)と、パッとしない。それを理由に砂田が“入塾”しなかったわけではないが、その成り行きにはチーム関係者も注目している。

 新人王の山崎康が、ついに“ジンクス”を破るのか? それとも今季3勝で年俸が260%増の1300万円(推定)になった砂田が、さらに飛躍するのか…。その答えは来秋に出る。