広島の新エース候補・大瀬良大地投手(24)が9日、マツダスタジアムで契約更改交渉に臨み、1100万円増の4600万円でサインした。今季は開幕から先発ローテーションの一角を担ったが、チーム事情からシーズン途中でリリーフに転向。51試合に登板して3勝8敗2セーブ、防御率3・13と成績もパッとせず、勝てばAクラスという今季最終戦(10月7日の中日戦)で負け投手になるなど悔しい思いもしたが「思った以上に評価していただいた」と恐縮しながら話した。

 来季は再び先発に転向する。黒田の現役続行は決まったものの、エースの前田はポスティングシステムを利用してのメジャー移籍が確実で、球団から「穴を埋めるのはキミだ」との言葉をもらった。緒方監督からは「来年は、しっかり勝ってもらわないと困る」とハッパをかけられ、前田にも「おまえが中心になって、やっていかないとダメだぞ」とエールを送られた。

 これまでは調子の良しあしで投球にバラツキがあり「やばい、どうしよう」→「甘いボールは投げられない」と自らを追い詰め、結果としてカウントを悪くする悪循環に陥ることが多々あった。しかし、前田から「調子の悪い自分を認める」ことの大切さを教えられ、メンタル面の強化のキッカケをつかんだ。救援を経験したことで「投手として、野球人として成長できたと思う」という手応えもある。

 交渉の席では「15勝してくれ」と具体的な期待値を示された。大瀬良も「チームの軸としてやっていくには、180から200イニングは投げないと」と自覚している。エース候補生から「候補生」の3文字が外れたとき、赤ヘルは25年ぶりのリーグ制覇に一歩近づく。