中日投手陣が、自由契約となったエクトル・ルナ内野手(35)の去就にビクビクしている。同一リーグの広島が獲得に向けて本格調査に乗り出していることもあって、ある投手は「ルナが敵となるのははっきり言って嫌! ミート力がズバぬけていて空振りが取りづらい。走者がいればチョコンと当ててタイムリーも打てるし、粘られるとしんどい」。別の投手も「厄介な相手になるのは間違いない。これだけの実績を残している外国人助っ人はそうはいないので…」と顔を引きつらせている。

 球団にしてみればルナの戦力外は現場、フロントの意見が一致しての決断だ。一番の理由は長打力のなさで、今季の本塁打は昨季の17本から激減してわずかに8本。打率も2割9分2厘と来日3年目にして初めて3割に届かなかった。

 さらに守備でも一塁で捕球に難があり、三塁の守備範囲も極端に狭い。「1年間フル出場したことがないし、年齢的な衰えも隠せない。2億円という高額な年俸もネックとなった」(球団関係者)

 しかし、対戦する立場になる投手陣にとってルナは脅威でしかない。ベテランスタッフの1人も「そりゃあ、怖いですよ。もし、広島に行ったらウチの投手陣は相当痛い目に遭うはず」と心配する。今季の中日は広島に15勝9敗1分け。5球団で唯一、勝ち越した相手だったが、ルナが加わればどうなるか…。投手陣の本音は「せめてパ・リーグに行ってくれ」のようだ。(金額は推定)