本職は“自然廃業”となってしまうのか――。西武・森友哉捕手(20)の来季ポジションは、今季と同じ指名打者&右翼手となる見通しだ。
2年目の今季は打率2割8分7厘、17本塁打、68打点で、2日の契約更改交渉では2200万円増の4000万円で一発サイン。「本塁打も欲しいですけど、やっぱり率ですね。一発を打てる打者はたくさんいるんで、チャンスを広げる意味で3割を打ちたい」と3年目の目標を語った。
しかし今季は本職の捕手での出場が1イニングもなかった。秋季キャンプから捕手に再挑戦してはいるが、本人が「来年もどこを守るか分からない。与えられたポジションで頑張りたい」と消極的だ。
鈴木球団本部長も「まだ2年目で勉強することが多い。捕手としては炭谷がいる状況の中で競争してもらわないと」と言うように1年間、本業を離れ打撃に専念していた森がガチンコでゴールデン・グラブ捕手の炭谷に勝てる可能性は限りなくゼロに近い。
それ以前に岸や牧田ら主力級投手とのコミュニケーションが取れない森には弱点がある。
今季まで二軍監督を務めた潮崎投手コーチによれば「去年、ファームのシートノックで守備陣形を指示する5、6個のブロックサインが覚えられず、メモ書きしたノートをユニホームのポケットに入れていたことがあった。本人に聞いたら『忘れたら見ようと思って』と言ってたけど、試合中にそんなことできないでしょ。あの調子じゃバッテリーミーティングの内容も右から左だったんじゃないかな」という。サインの出し手である捕手として…。
緊急事態に備えて球団は森に捕手練習を継続させるようだが、そのバットに期待するなら捕手での起用は見送るしかないかもしれない。(金額は推定)