阪神は1日、マット・ヘイグ内野手(30=前ブルージェイズ)との契約締結を発表した。1年契約の年俸8000万円(推定)。この球団発表よりも先に自ら虎入団をツイッターで公表してしまう面白ぶりも見せたヘイグだが、大リーグサイドからは早くも不安を指摘する声が…。

「It’s official! I am a Hanshin Tiger!(正式に僕は阪神タイガースの一員だ)」。日本時間1日の午前中、ヘイグはエリカ夫人とともに、阪神のユニホームに身を包んだ写真を添えてツイッターにこう投稿した。これは球団が入団を発表する数時間も前のこと。結果的に本人の“先走り発表”を球団が後追いするという前代未聞の発表となった。

 ヘイグは「以前から日本の野球にも興味を持っていましたし、今日ここに、阪神タイガースと契約できたことを、たいへん幸せに思います。しっかりと体をつくり、早めに来日してキャンプに備えたいと思います」と球団を通じてコメント。今季はブ軍傘下3Aバッファローで打率3割3分8厘、11本塁打、92打点。

 高野球団本部長は「どちらかというと中距離だが、日本は球場の大きさも違う。順応してくれるのでは」と話し、エース・藤浪も「活躍していただくに越したことはない。優勝には外国人選手の活躍は必要不可欠なので、打ってもらえれば助かります」と期待を寄せた。

 しかし、大リーグ関係者からは不安が指摘されている。「成績は中距離打者のものだが打ち方は大振りで、打撃フォームはかなり独特。正直、よくこれで打てるな、という印象だ。強いて言えば(元ロッテの)フリオ・フランコにフォームは似ているが、あそこまで対応力はない。直球を待って線でなく点で打ちにいくプルヒッター。だから変化球の多い日本の野球には苦労するのでは」「獲得はギャンブルだ。ちなみに三塁手を探していた日本の球団は阪神以外はほとんど(DeNAに入団したジェイミー)ロマック(内野手=30、前ダイヤモンドバックス)を狙っていたよ。ヘイグに興味を持っていたのは阪神だけだった」…。

 すべての大リーグ関係者が“マイナス評価”ではなく「あの変なフォームで打率を残しているのだから、かなり目がいいということ。順応したら大化けするかも。それにここ数年、阪神が獲った選手はほとんど活躍している。そういう意味でもやれる可能性はある」との見方もあるが、どうなるか。ヘイグは地雷か、それとも大当たりか。阪神の“ギャンブル助っ人”の行方は…。