中日の新OB会長に鈴木孝政氏(61)が就任した。29日、名古屋市内のホテルで行われたOB会の壇上で鈴木氏は「できれば8月の子供たちの夏休みの期間に首位と5ゲーム以内にいてほしい」と谷繁監督に要望。終了後も「最下位覚悟で優勝を目指せ、ということ。若い選手たちがその気になったらとんでもない力を発揮する。8月に5ゲーム以内というのはそういうこと。その気にさせることができる」と力を込めた。

 鈴木氏には大きな期待が集まっている。首脳陣に生え抜きOBがほとんど使われないこともあって、落合GMと中日OBはここ数年“冷えた関係”が続いていた。しかし「孝政さんがOB会長になったことで雰囲気が変わるんじゃないか」(球団関係者)というのだ。鈴木氏は生え抜きOBでありながら落合GMとは軽口を言い合える間柄。「現役時代から仲がよく、落合GMが中日の監督に初めて就任した際にも投手コーチとして招聘された。木俣前OB会長に比べれば相当距離は近い」(チーム関係者)

 一方で他のOBからの信頼も厚い。「本来だったら昨年オフにOB会長に就任するはずだった。しかし、長年、球団で働いてきたベテラン生え抜き職員を大量に解雇。これに激怒して『そんな球団を応援できるか!』と固辞した。そんな男気もある人」(球団関係者)。そんな鈴木氏だけに落合GMとOBとの橋渡し役になるとみられているのだ。

 中日が3年連続Bクラスから脱出するためにはチーム一丸が大前提。新会長は中日逆襲のキーパーソンかもしれない。