巨人・高木勇人投手(26)が27日、都内の球団事務所で契約交渉に臨み、前年比約250%アップの年俸4200万円で更改した。

 更改を終え、会見場に姿を見せた新人右腕は「(球団から)すごく期待してもらってるなということを感じました。『来年は勝ち越してほしい』とも言われました」と白い歯をのぞかせる。

 開幕から先発ローテーションの座をつかみ9勝10敗、防御率3・19。負け越したとはいえ、巨人の新人として1966年の堀内恒夫氏(現参議院議員)以来となる開幕から無傷の5連勝を飾り、49年ぶり史上5人目の快挙を成し遂げた。その点は文句なしの大きな評価ポイントとなった。

 連勝記録がストップした5月上旬以降は低調だったものの、前半戦だけで6勝をマーク。さらに監督推薦で球宴出場も果たすなど新人としては十二分の活躍を見せ、巨人投手陣に新風を吹き込んだ。

 謙虚な高木勇は今季を「いろいろ勉強させてもらいましたが、負けた試合が多くて悔しい1年になりました」と振り返ると、来季について「負けのところを勝ちに変える。感じて、考えて行動に移すシーズンにしたい。高橋監督の胴上げを手伝えるように頑張ります」と力強く言い切った。

 もちろん、いつもの“天然キャラ”も健在だ。 初めての契約交渉に臨んだ感想を問われると「緊張は何もなかったが、最初(入室して)上田(和明査定室長)さんと球団の方がいつもと顔が違って『怖いな』と思ったが、しゃべっていくうちにいつもの人になりました」とコメント。

 さらに「球団側に何か質問をしたのか」と聞かれると「『(更改後の会見で年俸の)値段とか聞かれたとき、みんな本当のことを言っているんですか』と聞きました」と答えるなど、報道陣を笑わせた。

 ルーキーイヤーの今年は寮生活を送ったが「(来年は)しっかり一人で暮らしたいなと思っています」とキッパリ。

 2年目に向けて“独り立ち”する高木勇はさらなる飛躍が期待されている。

(金額は推定)