ソフトバンクからドラフト1位指名された県岐阜商・高橋純平投手(18)が26日、岐阜市内のホテルで入団交渉を行った。破格の契約金1億円プラス出来高5000万円、年俸1500万円で合意した。

 将来の目標は日本のエースで「プレミア12では前田健太さんが18番をつけていた。そういう舞台で18を背負える選手になりたい」と話す。見据えたのはプロ5年目だ。「大きい大会での優勝がないので金メダルが欲しい」。野球の復活が濃厚な2020年の東京五輪で、日本を頂点に導くべくレベルアップするつもりだ。

 入団するソフトバンクの工藤監督とは不思議な“縁”がある。母・奈穂子さん(50)は、幼い純平をかわいがっていた純平の祖父・宏一さんのことを思い起こすという。純平が2歳のときに亡くなったが、最後まで気にしていたのが工藤監督のことだったとか。

「主人の父が大の巨人ファンで。工藤監督が(99年にダイエーから)FAのとき、巨人に行くんやろか、どこに行くんやろかって、とにかく気にしていたんですけど、知らないまま亡くなったんです。そういうことがあったので、不思議な縁だなって」(奈穂子さん)

 また、薬剤師、理学療法士で薬局を経営する父・康二さん(57)も「工藤さんが監督になられた時、縁があればなと思ったんですが、本当になってビックリしました」。以前から康二さんは工藤監督の著書を購入。純平が小学校5、6年のときには工藤監督の著書「僕の野球塾」が野球の教科書だった。「今年もセンバツのころに1冊、買って渡しました」

 これだけではない。両親が理学療法士であることから、純平が幼少期から摂取したのがクロレラだ。まさに純平の体のルーツでもあるが、その培養地が来季からチームの寮が移転する筑後市のもの。「だいぶ近くらしいですね。(クロレラは)父が昭和45年くらいに始めて力を入れていたものでして」(康二さん)

 会見では「工藤監督に会うのが楽しみです」と胸を膨らませた純平。不思議な縁のある指揮官のもとで日本のエースを目指す。(金額は推定)